二十一話
私ことアゼルナ・バロン・サラーストと、生徒会長イヴァン・アール・スティアートは武器を持って向かい合っていた。
私は短剣を2本、彼は普通より少し短めのショート・ソード。
彼は私に微笑みかけ、言った。
「君、いいのかい?君の強みは武器の秘匿性についてだろう?最初から見せて大丈夫なのかい?」
「今更隠すんですか?先ほどの試合も見られているのに?」
審判の声で試合が始まった。
「先手は譲るよ。どっからでもどうぞ?」
「余裕ですね。」
私はそう言いつついろんな方向に素早く移動した。
少しずつ彼に近づき、あと少しで剣が届く、そのくらい近づいたら———
私は高く高く上に飛んだ。
彼は目を見開き、頭上に剣を構えた。
空中で、幾つもの短剣を彼に向かって投げた。
彼はいくつかを剣で弾き、横に避けた。
少し離れたところに私は着地する。
「私も、あの人に笑われないよう負けるわけにはいかないのよ。」
「あの人って、ノヴェユール公爵令嬢?」
「馬鹿にしないでください。彼女はそんな人じゃない。・・・あなたの人を見る目はその程度ですか?」
「言うじゃん。でも、僕にどうやって勝つつもりなの?」
私は唇を噛んだ。力では、私は彼に劣る。強みである秘匿性だって今は役に立たない。
彼はニコリと笑い、そして一気に距離を詰めてきた。
近距離戦にするつもりね?
近づかれたら、私に勝ち目は無いから。
武器と武器とを打合せ、互いに全力で押した。
私は必死に押した。
が、やはり力で負け、バランスを崩した。
彼は距離を詰めて不敵に笑う。
「チェックメイトだね。」
私も、彼と同じように不敵に笑う。
「それは私のセリフよ。」
「何を言って——」
私は体勢を低くした。
「また上に飛ぶつもりかい?でもそれはさっきもう見て———」
そして、低姿勢のまま前に飛んだ。
彼の背後をつき、そのまま首に短剣を当てる。
「いつ私が上に飛ぶだけだと言ったかしら?・・・あぁ、前には進まない方がいいわよ?」
地面には無数の刃が突き出していた。
「私が女だからって見くびったわね。それがあなたの敗因よ。」
「勝者、アゼルナ・バロン・サラースト!!」
私は剣を収めた。
そして出口へと向かう。
そこにはロウラン様がいた。
彼女は私にニコニコと微笑みかけている。
「お疲れ様、アゼルナ。素晴らしい戦いだったよ。」
「ありがとうございます。・・・次は戦闘狂ですか。」
「面白い戦いになりそうだよ。対戦相手は・・・騎士団長の息子、ザナン・デューク・カストリス。剣術の天才と言われてる人だ。どっちが勝つんだろうね。」
騎士団長の息子のことは噂でだけ聞いたことがある。
10歳で騎士団の副団長に勝ち、騎士団へ入団。
父親以外の誰にも負けたことのない男。
面白い戦いになりそうね。
私はクスリと笑った。
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