二十話
「それでは、試合、開始!」
進行役の声で試合が始まった。
俺の武器はバスタードソード、相手はレイピア。
「もったいねぇな・・・あんな装飾が凝ってるやつ、観賞用にして売ったらよっぽど・・・」
「ヤァアアアアアア!!」
相手が声をあげて突っ込んできた。
俺は剣で弾き返し、突き飛ばして首元に剣を当てた。
「終了!勝者、ヴォルク・マーキス・ヴァルノー!!」
一瞬で勝負が終わった。
5分後、次の試合が始まった。
相手は侯爵の息子。偉そうなやつでいつも取り巻き連中と下級貴族をいじめている。
やな奴に当たったな・・・。
「ふんっ!貴様などが相手とは、私の相手にふさわしいとは思えんな。今のうちに降伏すれば傷つけないでやるぞ?」
「降伏?冗談だろ、なんでたかがAクラスのやつに降伏しなきゃなんねぇんだよ。」
「き、貴様!無礼だぞ!!我が家は歴史と伝統ある由緒正しき家なのだぞ!!!貴様ら新参者の成り上がりとは天と地ほどの差があるんだ!!私のことは様付けで呼び、敬語で話せ!!」
「失礼しました、宰相の息子様。で、とっとと始めませんか?あ、怖かったら降伏してもいいですよ?」
そいつは顔を真っ赤にして喚き出した。
「貴様ぁあ!貴様など私の手にかかれば一捻り!捻り潰してくれる!!」
「どーぞ、やれるもんなら。」
そいつは剣を上段に構え、突っ込んできた。
剣が俺に当たる瞬間、俺は体勢を低くし、相手の後ろに回った。首元に剣を当てた。
「確かに、一捻りでしたね、宰相の息子様。」
「勝者、ヴォルク・マーキス・ヴァルノー!」
またも一瞬にして試合が終わった。つまんねぇなー。
5分後、また試合が始まった。次の相手は———
「やっほー戦闘狂。」
「よぉ、暗殺者。」
「戦うからには全力よ。」
「当たり前だ。」
暗殺者はニコリと笑うと消えた・・・ように見えた。
後ろか!俺は剣を構え、振り向いた。
キィイイイインン!!
俺の剣と、あいつの剣がぶつかって、甲高い音を出した。
「やるじゃない。」
「てめぇもな。」
そのまま俺らは何回か剣を打ち合わせた。
手に力を込め、暗殺者をぶっ飛ばした・・・つもりだったが、あいつは後ろに飛んでくるりと回り着地した。
「チッ。」
暗殺者は急に体勢を低くした。
何をするつもりだ?
体勢を低くし、そいつは高く飛んだ。
「突っ込んでくるつもりか?」
そう考え、剣を構えた。
その後、信じがたいものを見た。
いくつもの短剣が一直線に俺に向かってくるのだ。
殺す気かよ。
「あまい!」
俺は全てを剣で弾いた。
危ねぇ・・・。
死ぬかと思った。
あいつは地面に着地した。いつの間にか、短剣を二つ構えている。
俺は剣を構え直し、ジグザグと左右に動きながらあいつに接近した。
持ってる剣は・・・二本。
一本目と同じバスタードソードをもう一本。
二つの剣を重ねて持っているから、周りから見ると一本に見えるかもしれない。
俺は二つ一緒に振り上げ、おろした。
暗殺者は短剣を交差させた状態で俺の剣を受け止めた。
俺は一本目の剣はそのまま、もう一つの剣を片手で持ち、あいつの首に当てた。
「そんな・・・ずっと二本一緒に振り回してたなんて・・・」
「残念だったな。」
「なんて馬鹿力なの!?」
「そっちかよ!ひでぇな!!」
「勝者、ヴォルク・マーキス・ヴァルノー!よって、ヴァルノーは決勝進出だ!」
あ゛?今のが準決勝かよ。
「続いて、アゼルナ・バロン・サーラストと、イヴァン・アール・スティアートとの試合を開始する。」
おいおい、スティアートもなかなかの腕だったはずだろ?次の俺の相手は誰だ?
俺ははじめて冷や汗を流した。




