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公爵令嬢は普通になりたい  作者: 月乃夜
第一章 公爵令嬢 ロウラン・デューク・ノヴェユール
21/62

十八話

最近更新が遅れてすみません!

またも、新しいのを書き始めてしまいまして・・・。


一週間後、いよいよ待ちに待った大会が開催された。今日あるのは武術、魔術部門だ。午前中が武術、午後が魔術部門となる。ヴォルクさんは武術部門に参加するらしいので会場まで一緒に向かっているのだ。


「じゃあ、頑張ってくださいね。ヴォルクさん。」

「あぁ。久しぶりに全力で戦えるからな。」

「負けたら容赦しないわ。せいぜい頑張りなさい、戦闘狂。」

「言ってろ、暗殺者。」


二人は随分仲良くなったみたいだ。私はニコニコと二人を眺めていた。


「じゃあ、行ってくる。」


そう言ってヴォルクさんは参加者用の控え室に向かった。


「楽しみだね、アゼルナ。」

「えぇ、そうですね。」


私たちは話をしながら席に向かった。午前中は暇だから試合を見ることにしたのだ。

周りの人たちからの冷たい視線が突き刺さった。噂をされているらしい。


———「聞いた?ロウラン様ってば、リリーザ様の形見の髪飾りを踏壊したんですって。」

———「聞いたわ。ほんと、化け物はやることが違うわ〜。」

———「最低だよな。」

———「あり得ない。」


噂が広まるのは早いな。

噂されるのは慣れてる。だから、辛くないし、問題ない。

でも、悔しい。私は唇を噛み締めた。

思わず立ち止まっていると——


「あなたたち、品が無いにも程があるわよ。」

「根も葉もない噂に惑わされるだなんて、あなたたちそれでも貴族の一員なんですの?」

「寄ってたかって一人のことを責めるだなんて、そっちの方が最低でありえないよ。」


入学式の時、なぜか私を慰めてくれた人たちが噂をしていた人たちに口々にそう言った。

どうして?なぜ?

今後のことを考えたら、私を庇うなんて得策じゃない。こちらは公爵家と言えど新参者。あちらは古くから王家に仕える家の人たち。私を庇ったっていいことなんか一つもないのに。

戸惑っていると凛とした声が耳に入った。


「もうすぐ試合が始まります。座った方がいいんじゃなくて?それに、事実を確かめもせずに広めるのは寿命を縮めるわ。わかったなら席につきなさい。」

「エデイル公爵夫人!どうしてここに?」

「お久しぶりね、ロウランさん。」


エデイル公爵夫人はニコリとこっちを見て、そして噂してた人たちをギロリと睨んだ。


「家を終わらせてほしくなければ今すぐ席に着きなさい。それとも、この私に楯突くつもりかしら。」


それを聞いた人たちはそそくさと席についた。


「元気だったかしら?」

「おかげさまで。それより、ありがとうございました。」

「いえいえ。先日のお詫びも兼ねて、ね。」


お詫び?なんのことだろう。首を傾げているとそれに気づいた夫人はコロコロと笑い出した。


「先日は私の弟がお世話になりました。」

「弟・・・?」

「まだお分かりになりませんか?そうですわね、私の結婚前の名前は?」

「スカーレット・マーキス・ヴァルノー侯爵令嬢で・・・あっ!」

「うふふ。ようやく気付いたようね。そうよ、ヴォルクは私の弟。」

「そうだったのですね。」


気づかなかった。結婚前の名前も知っていたのに。


「弟がごめんなさいね。」

「いえ。今日は弟様のことを見に?」

「それもそうなのだけれどね。あなたにお詫びをしに来たのよ。怪我はなかったかしら?」

「あ、はい。大丈夫です。」


そう言ったら、夫人はため息をついた。


「良かったわ。ほら、あの子って無駄に能力があるでしょ?だから心配だったのよ。」


無駄にって・・・。

後ろでアゼルナも笑いを堪えていた。


「ご安心ください。最近では先輩としていろんなことを教えていただいてるんです。」

「あら、そう。意外だわ。あの子が教えるだなんて。」

「根は優しい方ですからね。」


それを聞いた夫人は優しげな微笑みを浮かべた。


「嬉しいわ。あの子のことをそんなふうに言う方に出会えたみたいで。ありがとね。」

「いえ、こちらこそ。」


遠くから声が聞こえた。


「お〜い、スカーレット〜。どこにいるんだ〜。」

「どうやら夫が探してるみたいね。それじゃあ、またね、ロウランさん。」

「はい。」


夫人は旦那さんの元へと向かった。


「じゃあ、席に向かおうか。」

「そうですね。ふふ、戦闘狂のお姉様があんなに素敵な方だったなんて。ふふ。」


私たちはまた歩き始め、席に向かった。

これの他にもあと3つ書いています。

『男装の女王陛下〜婚約破棄から始まる物語〜』

『私こそ、本当の悪役令嬢ですわ!』

『ヒロインの私と悪役令嬢だったあなた』

です。ぜひ読んでみてください。

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