一話
今回は王太子の目線で過去にあったことが書いてあります。
彼女は、俺の婚約者候補だった令嬢の中で、最も有力だった『リリィ・デューク・アースナー』が主催しているお茶会に呼ばれていた。俺は彼女に渡したいものがあったので俺はお茶会が開催されている場所に向かった。彼女に声をかけようとした時いきなり怒声が聞こえてきた。俺は思わず柱の陰に隠れた。
〜数年前〜 (ロウラン、13歳)
「あなたね!自惚れるのもいい加減にしなさいよ!」
そう言って、リリィはロウランに紅茶をかけた。普通なら慌てふためくか、怒るとこだが、ロウランは冷静に
魔法を使いドレスの汚れを落とした。その冷静さがリリィの癪に触ったのか、彼女はより激怒した。
「だいたいどうしてあなたなの!?王太子妃に相応しいのはわたくしでしょう!?なんで名ばかり公爵なんかの娘が選ばれるのよ!!意味がわからないわ!!」
「名ばかり公爵?オースウェン公爵令嬢、言い方にはお気をつけください。」
「事実でしょう?事実を言って何が悪いの?」
「父は名ばかりなどではありません。」
「あなたが王太子の婚約者だから!王太子に気に入られたから公爵になった!名ばかり公爵ほど相応しいものはないわ!」
「父は能力と、実績を評価されて公爵になりました。名ばかりなどという呼び方はおやめください」
リリィの顔が怒りに染まった。
「ふざけないでちょうだい!化け物の分際でわたくしに異議を申し立てないで!」
「っ!」
ロウランは悲しそうな顔をした。泣きそうなほど、辛そうな顔だった。リリィの怒りはおさまらず、彼女はロウランに掴みかかった。
「だいたい、なんで化け物なんかがここにいるの!?人間にはありえないほど魔力を持つ化け物がっ!」
「私は化け物なんかじゃ・・・」
「うるさいっ!!!」
その言葉と同時にリリィはロウランを叩いた。
「身の程を知りなさい!化け物!」
そう言ってリリーザは立ち去った。俺は呆然としていた。気がついた時にはもうロウランはいなくなっていた。俺は
『影』に命じてロウランが他にも嫌がらせなどを受けていたかを調べさせた。
過去の話が予定より長くなりそうなので、キリのいいところで今回は一旦止めて、
次回も過去のことを書きます。