十四話
更新する時間とかバラバラですみません。
とある部屋で、黒髪の少女が怒りを露わにしソファーをナイフで切り付けていた。
美しいその顔も怒りで歪み、見事な黒い綺麗な髪もボサボサになっている。
「なんなのよ!なんなのよ!意味わかんない!!なんであいつなんかが楽しそうにしてるわけ!?意味わかんないんですけど!!」
少女はソファーを何回も切り付けていたが、急にピタリと動きを止めた。
「あぁ、そうだ。そうすればいいんだ。」
少女は歪んだ笑みを浮かべ声を上げずに笑った。
「仕方がないわよね。だってこの世界の主人公は私なのに、私より目立ってるんだもん。」
そしてもう一度深くソファーにナイフを突き立てた。
少女の目は常人のものではなかった。
「あははははは・・・っ!」
いよいよ授業が始まる。
授業の道具を取ろうとして机の中に手を伸ばし、気付いた。
「あれ?ない。」
「?どうした?」
「忘れちゃったんですかね。授業道具が一式無いです。」
「はぁ?テメェ、どうすんだよ。」
う〜ん。時間がないなぁ・・・。しょうがない。
教科書の内容は覚えてるから良いとして、問題は・・・。
「ヴォルク先輩、実験器具見せてください。」
「は?いいけど・・・?」
私はヴォルク先輩から実験器具を受け取った。
このくらいなら作れるかな。
『複製』
そう唱えた途端、私の手に借りた物にそっくりな物が現れた。
「あ、これありがとうございました。」
そう言って私はヴォルクさんに片方返した。もちろん借りた方だ。
「さて、これで問題ありませんね。」
自分なりに満足してそう言うと、アゼルナが声をかけてきた。
「ロウランさん。ちょっと困ったことが。」
「あぁ?どうした、暗殺者。」
「戦闘狂は黙ってて。」
「どうしたの?」
「それが・・・」
アゼルナはクルリと後ろを向いて歩き始めた。私たちは、アゼルナについて行った。
向かった先は私の部屋だった。
部屋の中を見るとーーー
「これはひどいね。」
ひどい有様だった。中央に置かれていたソファーは無残な姿になっていて、他の家具もボロボロだ。
鏡が割れたらしく辺りにはガラスも落ちている。
とりあえず私はガラスを片付けた。
「とりあえず校長先生のとこに行こうか。」
「旦那様に手紙を出しておきます。」
「うん、お願い。」
アゼルナは部屋を出て行った。
ヴォルクさんは顔を顰めて辺りを見回していた。
「テメェ、誰かに恨まれてでもいんのか?」
「こういうことはよくありますよ。公爵家の者ですから。」
「ここは学園だ。変な輩が入って来れるようにはなってねぇ。」
「生徒がやったと言いたいのですか?」
「その可能性がたけぇだろ。」
確かに学園には警備員がいる。だから外の人はあまり簡単には入ってこれない。
生徒がやった可能性が高いってのはわかるんだけど・・・。
「私、生徒の方に恨まれるようなことした覚えないんですけど。」
でもまぁ、今は推理するより報告だ。パッと見、大丈夫そうだけど壁とかに傷がついてるかもだし。
「まぁ、とりあえず校長先生にーーーー」
私は見つけてしまった。
見つけたくなかった。
それを見たら私は冷静ではいられない。
「どうした?」
ヴォルクさんは私が見つめている方向を見た。
そこには無惨な姿となった木製の彫刻があった。
「あれはそんなに大事なものなのか?」
「えぇ・・・」
あれは・・・
あれは大切な物だ。
すごく大事な・・・
「あれは・・・私の弟が作ってくれたものなんです。」
「っ!」
大事にしてたものが壊されている。
それが悲しくて悲しくて、思わず涙が出てしまった。
そして私はその場に座り込んでしまった。
我慢しようとしてるのに涙は止まらなくて、ヴォルクさんが焦っていることがわかった。
座り込んで泣いていたら、アゼルナが部屋に飛び込んできた。
「戦闘狂!あなたロウラン様に何をしたんですか!?」
「俺じゃねぇよ。あれ。」
そう言ってヴォルクさんは壊れた彫刻を指差した。
アゼルナは顔を顰めて指の示す方向を向いた。
そして無表情になり、感情のこもってない声で
「すぐさま旦那様とイルバ様とフェイジ様を呼んで参ります。」
そう言ってアゼルナは再び部屋を出て行った。
しばらくすると父上と、弟のイルバ、そして兄のフェイジがやってきた。
アゼルナがとりあえずこちらの部屋へ、と私たちを応接室に案内してくれた。
ヴォルクさんは校長の元へ行ったようだ。
「話は聞いたよ。ロウラン。」
「お忙しい中呼び出してしまいすみません、父上。」
「仕事なんかよりも娘の一大事の方が重要だ。」
「ロウ、安心して?僕がすぐにあんなことをした奴を潰しておくから。」
緑色の髪に、黒の瞳を持つフェイジ兄様は私より二つ歳が上だ。
フェイジ兄様は真っ黒な笑みで物騒なことを言ってきた。
「イルバ、ごめんなさい。せっかくあなたが作ってくれたものだったのに。」
「気にしないでください姉様。」
弟のイルバは私より一つ年下だ。紺の髪に黒の瞳で銀縁のメガネをしている。
イルバは無表情のまま、
「すぐに作り直します。」
そう言った。
そして父上と兄様とイルバは机を囲み話し合いを始めた。
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