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後藤一家の事情  作者: 奈々篠 厳平
六章
40/50

~血の金曜日~ 4

 ハヤトとタンポポは校門を(くぐ)った。

矢張、通学路は血と(はらわた)、そして悲鳴と咆哮(ほうこう)に満ちていた。

在る者は、友人と思われる人と動物の話をしていた所を征伐主義者に見つかり、蛮鉈(マチェット)で何度も切り付けられ弱体化させた後に2人揃って斬首された。

在る者は、動物アレルギーを患っている、ただそれだけで征伐主義者と見なし複数の自動小銃で公開処刑された。

在る者は、輪郭が丸っこい骨格、所謂(いわゆる)たぬき顔をしていただけで両手足を縛り付けて液体燃料を被った後に火を放たれ其侭(そのまま)炭の塊になった。

中には、この殺伐とした状況に受け入れられず手に持っていた拳銃で自殺を図り、大量に鼻血を流す保守主義者もいた。

ハヤトとタンポポは強く(おのの)き乍ら転がっている死体を避けて歩いていた。

と、後ろから足音が聞こえた。

2人は今までの出来事を瞬時に(よぎ)って本能的に目一杯走り始めた。

後ろの人も跡を追う様に走り始めた。

誰が追っているのか、それを確認する為に振り向くことさえ出来ない程2人は酷く冷や汗をかいていた。

後ろの人は(やや)幼い声で叫んだ。


???:おーい!何故逃げる!俺だよ俺!


聞いたことが声だった。

然し、この状況でハヤトが真っ先に浮かんだのはいじめっ子の誰かだろうという思考だった。


???:俺ぇー!俺ぇー!!ユッキーだよっ!!!


その瞬間、ハヤトは足を止めた。

タンポポは矢庭に立ち止まった事に不可解を覚えた。

ハヤトは振り向いた。


ハヤト:なんd…ユッキーっ?!ユッキーなのか!!

山野:ハァ…ハァ…そう…だよ…!!


山野の左肩には銃創を負っていた。

反対の手で押さえているも未だに血が流れていた。


ハヤト:ユッキー…何かあったんだ。

山野:見りゃ分かる、撃たれたんだよ!ガキである俺に向かって!

タンポポ:ハヤト、どうする?

山野:ファルコン【ハヤトの渾名】!と、取り敢えず君ん家に付いてきていいか?こっちは安否不明だ!

ハヤト:どうゆうこと。

山野:電話に出ても来ないんだ、多分殺られたか別の所へ避難したかも。

ハヤト:…分かった。

山野:そういやファルコン、銃持っているか?

ハヤト:…うん、世話焼き仙狐【内村の渾名】から御守りとして持っててって言われたから持ってるけど。

タンポポ:兄ちゃん、銃持っていたの!?

山野:なら話は早い、守備として俺を守ってくれ。ポポタン…だっけな、肩を借りるぜ。


こうして山野はタンポポの肩を借りて後藤の家へ向かった。

ハヤトはその後ろで銃を構え2人の守護をした。

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