~歯車が壊れる頃に~ 6
保健室の前で後藤兄弟はユウタが安静するのを待っていた。
すると、ハヤトの友人達が心配そうにやって来た。
塩〆原:ファルコン【ハヤトの渾名】!皆!大丈夫か?!送ってやろうか?!
ハヤト:いや、ユウタが一寸…
河岸:人工呼吸は必要か?私、出来ます。
ハヤト:いや清潔な空気を吸わせる程度で平気だし、後お前さりげなくサイコパスなこと言うな。
と、保健室の先生である茶狐美留久がやって来て近況を伝えた。
茶狐:…矢張病院に連れていった方がいい。
ハヤト:思いっきり吸っちゃったんですね。
茶狐:恐らく、自力で脱出したのは聞いてるからその時に大量に吸引してしまったと思う。ユウタに関しては私が車で送るから早く家に帰るんだよ。
それを聞いて後藤兄弟と共に居た塩〆原と月見里と河岸と内村は茶狐先生を信用して下校し、ヒロトも頓服薬を一つ飲んで気を落ち着かせた。
ハヤトは狸の姿で河岸さんに息苦しい程強く抱き締められていた。
ハヤトは圧迫による苦痛よりも化け狸と知り乍らも受け入れてくれる友人がいたことにホッとしていて、あまり苦ではなかった。
河岸:いい匂いだなぁ…くんくん
んはぁっ!ゴトー・ハヤトたんの栗色レッドの体毛をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!ファーファーモフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
内村:メリー、少しは黙れ。今君、凄い目で見られてんの忘れんなよ。
塩〆原:ハヤト、一寸吃驚する事を言おう。
ハヤト:ん?
塩〆原:実は俺んち、毛皮加工を営んでいるんだよ。因みに、君の場合…ざっと数万かな。
ハヤト:ヒェ…
ヒロト、タンポポ:え…(震)
河岸:貴様ぁ外道かぁあああ!!!
塩〆原:お、落ち着け!変なジョーク言っちまっただけさ!まぁ、最近は動物愛護の目線から知り合いと手を組んでフェイクファーに力入れてんけどさ。
河岸:お前、潰す、今、此処で。
塩〆原:うまくフェイクファーで繁盛して一筋いくまでの間は…うん。
内村:劉、メリーの事は気にすんな。まぁ頑張れや。
ハヤト:思ったんだけど、世話焼き仙狐【内村の渾名】って何時もメリーと一緒にいるね。
塩〆原:俺も思った。
月見里:ソレナー
内村:まぁ…その…あれなんだよ、げぬ…現在…し、進行形って奴だよ。
河岸:世話焼き仙狐とは両思いで、今マッチングして様子見なんだよぉ☆。
ハヤト:え。
ヒロト:え。
タンポポ:わお。
内村:ちょっ!!まっ…/////
月見里:へいへーい、男の癖にこんなに照れちまってー。カノピッピ守れねぇよそんなんじゃー!
内村:や、やめてょ…そーやって急所を狙い撃ちすんの…!
塩〆原:そーだよ!大体あんな奴に彼女なんで出来っこねぇって!ぜってぇ秒で破局って!
内村:劉、轢き殺すぞお前。
塩〆原:すまん。(素)
月見里:そんな事より、彼奴ん家に行かねぇか?
ヒロト:彼奴ん家って?
月見里:コンコン…だっけな、あだ名って。あの人の家に行って顔合わせ…しとこうかなっと思って。
内村:…今電話でアポを取るなら行く。少し話したい事があるし、それに…僕の妹も勝木君と同じ病を患ってるから。
月見里は真っ先にスマホを取り出し、勝木の家に掛けた。
───許可を得れたみたく、一同は勝木の家に向かった。
月見里:遺族から一つだけ伝えてほしいと言われた、“無理はするな。”と。
河岸:知ってる、だからこそ会いたい。




