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後藤一家の事情  作者: 奈々篠 厳平
四章
23/50

~噂という名の~ 5

ヒロト:───成る程...色々あったんだな。

勝木:内村がらその話をぎいたから、君の祖先は山賊...に近いごとをしでた化げ狸というのは知ってしまっだんだ。げれと分かっでるのは、殺しはしてない...くらいがな。

ヒロト:金目は奪っても命は奪わない...山賊ぅ...。

勝木:安心しで、僕は狸か好ぎなの。たがら絶対に守っでやる。

ヒロト:そぅ...。


 ヒロトは浮かない顔をしながら松葉杖を突いていた。

勝木は何とか慰めようとするも、ヒロトの父親が元山賊という事実が邪魔をして上手(うま)くフォロー出来なかった。

勝木の手助けで階段に上がって自分のクラスの部屋に着くと共に一つ深呼吸をして気分を一転しながら入った。

 一方、


月見里:世話焼き仙狐(せんこ)【内村の渾名】、コンコン【勝木の渾名】にあの事を話して本当に良かったのか?

内村:仕方がないんだよピョン吉【月見里の渾名】、奴は嘘が苦手なんだよ。ただ、後藤兄弟が“鷹緖山の貉”とは無縁とだけは伝えたから。

ハヤト:...一寸(ちょっと)だけ話逸れるけど、僕にも渾名ていうか愛称が...欲しいかな。『ハッシー』とか『世話焼き仙狐』とか『ピョン吉』とか...なんか独特だし。

山野:【ファルコン(英語でハヤブサ)】て良いんじゃない?

月見里:速攻だな【アダ名王子(山野の渾名)】。

内村:流石だな【ヤンヤン】。

河岸:【マウンテンフィールド】。

橋岡:【マンサツ】、センスあるな。

ハヤト:ありがとう【ユッキー】!

山野:渾名(あだな)統一しろよ。(半ギレ)


 そして放課後、校門の前で狸姿のタンポポは河岸に思いっきり抱かれててジタバタしてた。

内村は大儀(たいぎ)そうに眺めていた。

そこに後藤兄弟と勝木がやって来た。


ユウタ:なにしてんの?

河岸:がわ゛い゛い゛な゛ぁ゛ぽ゛ぽ゛ぢゃ゛ん゛

タンポポ:HA☆NA☆SEっ!!

内村:メリィもう良いだろ、5分ぐらい抱かれっばなしやぞ。

河岸:そうか...ポポタン、延長料金は幾らだ?

タンポポ:ぇからさっさと離せ!!

勝木:メリー!待ってて!


勝木はランドセルを下ろして、中身を探った。

そして少し古めのな狸の縫いぐるみを取り出し、中の綿を(ほぐ)して整形した(あと)河岸に渡した。


勝木:ごれ!ごれ!

河岸:え...いいの...これ...大切な...

勝木:へーきへーき!家にもっど沢山ある!

河岸:このケモナーどもめ!

勝木:おまゆーっ!

内村:わぁ変態が増えたぁ...。

ハヤト:お前もなー。


河岸と勝木は愉快(ゆかい)にハイタッチした後、別々の道で下校した。

内村は勝木と同じ方向に帰り、後藤兄弟は河岸と一緒に帰った。


内村:君って本当に狸好きなんだな、てかどんだけ縫いぐるみ持ってんのかよ?!今度お邪魔していいか?

勝木:うん、全然いいよ!

内村:あ、丁度分かれ道だし...


河岸:ヒロト、腕大丈夫か?

ヒロト:うーん、医者(いわ)く長くて2ヶ月までギプス付けないといけないんだ。

河岸:ヒロトを虐めた奴、ぜってぇ磨り潰してやる!

タンポポ:気持ちは分かるよ、でも()し君が手を出したらお互い様になるよ。

ハヤト:兎に角、早く治るよう僕らが何とかするよ。

河岸:うん、後もう少しで私の家着くし...。

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