表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
炎罪のウロボロス  作者: あくえりあす
7/62

7、妻の笑顔、そして本心。

妻も笑顔を返してくれた。だがその瞳が、隠し切れない本心を雄弁に語っていた。不安であると。

だから私は優しく彼女を抱きしめた。


「ごめんね。お客様が来ているのに……私ったら……」


「いや」


私は妻の肩に手をやり、互いの距離を少し取った。そして彼女の目を見ながら、もう一度微笑んで見せた。


「ヘンな遠慮するなよ。結婚したとき、そう約束しただろ」


「うん。だね。……ありがと」


彼女も再び微笑みを返してくれた。私は察した。その瞳の奥にある本心を悟られまいとする気持ちを。

さすれば――何か、心残りのようなものを感じつつも、私はやるべきことをやるため、踵を返し次の行動に移すこととした。そもそも時間的にも他の選択肢はなかったが。


「お客様をお通しします」


秘書の声だ。


「ああ」


私は一人、応接室へと入って行った。


「ご到着されたら、そのままここにお通しなさい」


「かしこまりました」


応接室に設置されたモニターから秘書の姿が消える。直後そこには、こちらに向かうエレベーターの中の客人たちの姿が映し出された。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ