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炎罪のウロボロス  作者: あくえりあす
56/62

56、交わした言葉

「そうだ」


私はあることを、はっきりと思いだした。


『すでに君が何を願っているのか、望んでいるのか、僕は全て知っている。すべて、僕のもとに届いているよ』


あいつは……あの、エノクと名乗ったあの男は、出会ったときすでに、私の願望が何かはもうわかっている……と言っていた。

私はずっと、あの男に出会い、あの男と言葉を交わし、私がそれを口頭で伝えてからようやく、あの男が私の願望を受け取り、契約を交わし、そしてそれを実現させてくれた――と思い込んでいた、が。


「……違う!」


実際にはあの場面で、私は願望のひと欠片すら、言葉にしてあの男には伝えてなどいない。

だとすれば、それまで私があの日を迎えるまでに、日々願ってきたこと、思って来たこと全てを、あいつは私の「叶えるべき望み」と捉え、それらを全うすべき契約対象としたのではないか?


『そう。それは君が望んだからなんだ』


いや、違う!

俺は……世界の破滅など願っていないし……無論そんな契約など望んでなんかいなかった!

そもそもそんな契約をするために、俺はお前の出現など望んでいない!

だってそうじゃないか!

俺はお前の存在自体を知る由もなかったのだから!


「まもなく高速を下り、一般道に出ます」


私は上の空だった。だから秘書の言葉にも私は反応を示すことはなかった。そしてそれからしばしの間、私の意識は外界とは全く切り離されたままとなった。


「目的地まで、残りおよそ20分で到着します」


そうだ……。あの男と……エノクと出会った時点で、俺に残されていた選択肢は、奴と契約をするか、契約しないかの二択しかなかったんだ。

そして俺はあのとき、自らが犯した罪が原因だったとはいえ、追い詰められ、やむを得ず前者を選択したんだ。


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