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炎罪のウロボロス  作者: あくえりあす
36/62

36、思考は注意深く……

しかしだ。目の前の人物が何者であれ、私にはもとより選択肢などない。

いや、もちかけられたこの取引が、ただの駄法螺だとしてなんだというのだろうか?

そもそも私はもう、後戻りも出来なければ、守るべきものも全てを、自らのこの手で失ってしまったのだ。

この男の存在を含めて、この取引がただの幻影なら迷う必要はないし、実効性がもしあるというなら、乗ってみて損はない。


「マジで、それだけ……なのか?」


「そう。それだけだ。それで契約成立だ」


契約成立?

それで、具体的にどうなるというのだ?

気付けば私の中に、また疑念が浮かび、それに伴う不安が芽生える。


「ほら、まただ。いいかい? 気を付け給え。思考は注意深くするんだ。これは警告ではなく、老婆心からの忠告だ。思考は感情を誘発する。そして感情が強くなれば強くなるほど、それは直接的に、この世界に影響を及ぼすんだ。だからもう、この件はさっぱり忘れることだね。君がこの契約を全うするための、それが唯一の道といってもいい」


そう言われて、また私の脳裏にあれこれと考えが浮かびそうになった。

だが、ここはこの男の言うことを聞くべきだと私は判断し、なんとか思考することを中断した。


「それでいい」


男がまた微笑んだ。

そして今さらながら私は実感した。この男、私の心の動きをすべて読んでいる。

やはり、人間ではない――と。


「さあ、それでは契約を正式なものにしようか。例えるなら、あとは契約書に君がサインさえすれば、契約は履行される、というのが現状だ。そしてその後は君が契約違反をしない限り、この契約は有効だ」


「俺が、契約違反をしない限り……」


ああ、なるほど。そういうことか。

それはそうだろう。つまり契約違反をした場合、やはりそれ相応のペナルティが課されるわけだ。

世の中、そう上手い話などない、ということだ。


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