表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
炎罪のウロボロス  作者: あくえりあす
35/62

35、課されるべき対価

「すでに君が何を願っているのか、望んでいるのか、僕は全て知っている。すべて、僕のもとに届いているよ」


男の口調は相変わらずだ。だが、こうして見ると、この男、どこか軽い。

その謎めいた、さも意味ありげな風体も、よくよく考えてみれば、至極滑稽だ。

燃え盛る松明を手にしたフードを被る男。こうして見れば、実に陳腐な姿かたちをしている。そしてその受け答えも、どこかステレオタイプのように思えてきた。


「では、取引をしようか」


そして男がこのときはっきりと、笑顔を見せた。


「僕は君の願いの一切を叶える。だがその代わり、君はこの取引に対し、後悔の念も、疑義も、不安も、懺悔も、その他一切のネガティブな感情や、自己を否定するような気持になってはならない。……約束、できるかな?」


私は再び困惑した。

男は確かに取引といった。だが、私に課されるべき対価を、男は提示したようには思えなかった。

しかし、である。


「ネガティブな感情? 自己否定?」


まさかそれが取引材料だとでもいうのか?

その代わりに、この微笑む悪魔は、私の願いを叶えてくれると?


「……それだけ、か?」


「君の言わんとすることはよくわかるよ。だが僕は君が考えるような悪意ある存在ではないんだよ。そう……例えば、その代わりに君の魂をよこせ、などといったゲスな取引など、もとより申し出ないので、その点は安心してくれ給え」


悪魔ではない、そういうことか。だがそれこそ、悪魔が自らを悪魔だということなど無いのかもしれない。

いや、そもそも突然現れて、私の望みを叶える云々とか……疑い出せば、まさにキリがない。


「まさにそれだよ。そうした疑念とそれに伴う強い不安感。それら一切のネガティブな感情だ。そういったものを一切持ってはならないんだ。どうだい?約束できるかい?僕と取引する気になったかい?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ