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炎罪のウロボロス  作者: あくえりあす
34/62

34、条件

「君の表情、態度がこう私に語り掛ける。”ああ、この男は何者なんだ。さっきからなにをいっているのだ。さっぱりわからない”……とね」


男の指摘は百パーセント正しい。だがそれが故、私はますます言葉に窮した。


「つまりだな。僕は君自身が招いたこの窮状から、君を救い出すことが出来る、ということだ」


「え?」


男が発した言葉が、初めて私の心に届いた。

この窮状から私を救い出す。確かに今この男はそういった。そんなことが可能だとは、正直到底思えない。

いや、例えば海外への逃亡を手助けしてくれる、などということは、もしかしたらあり得るのかもしれない。

だが、となればそれ相応の対価を要求されるのは必定だ。


「どうせ……条件があるんだろ?」


だから私は率直にそう言葉を返した。

いや……そもそもだ。現実感がまるで乏しいが、どうしても、私の本能が、私の魂が「この男は人間ではない」と私自身に訴えかけ続けている。

異世界から来た化け物か。いや、神の化身か、あるいは天使か。そうではなく、もしかしたら――これが一番妥当かも知れないが――悪魔の使い、ではないのか。

だがだとしたら、この“取引”で求められる支払うべき代償は、自ずと答えが導き出される。


「そうだ。君の言う通り。条件がある」


男は答えた。

ああ……やっぱり。

自分で吐いた陳腐なセリフに、男は期待通りの回答を示した。

そんな彼のセリフを聞いた瞬間、突然何か目の前の事象が何もかも滑稽なものに感じられた。

――悪夢。

一連の出来事が、いや、生まれてこの方起こったこと、見てきたこと、そして感じたこと全てが、ただの幻想だった。そんな風に思えてならなかったのだ。


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