表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
炎罪のウロボロス  作者: あくえりあす
30/62

30、アルファとオメガ

目が慣れた影響も当然あっただろう。そして頼りないとはいえ、外から入ってくる幾筋もの光のおかげもあって、室内の様子がこの場に限ってよくわかった。

上階へと続く、あたかも巨鳥が広げた両の翼を畳みこもうとしかけているようなデザインの対の大階段。部屋の中心、その天井には巨大なシャンデリアもあった。

結婚式場であろうか。

ふと気になり、私は後ろを振り向いた。

そこには観音開きのドアが朽ちて倒れてしまっていたため、開きっぱなしになった入り口があった。

なぜか、その奥の一室はエントランスよりも明るいように感じられた。

いや、間違いなく明るい。

私はまた、どうしてもその奥へと進みたくなり、欲望にその身を任せた。


「ステンドグラス……」


一歩踏み入れると、まず目に入ったのは正面に張り巡らされた大きなステンドグラスだ。

エントランスの窓ガラスとは違い、不思議とほぼ無傷の状態でそれらはあった。

中央にはステンドグラスへと続く一本の道。両脇には木製の長椅子が並ぶ。

私はさらに歩を進め、ステンドグラスへとどんどん近付いて行った。

正面下には7~8段ほどの階段があり、登り切った奥には高さが3メートルにも及ぶ十字架があった。

ここで見たものをすべて勘案した上で推論をまとめるなら、そこは式場内に設けられた教会だと結論付けるのが妥当であろう。


『Α Ω』


他に比べ明らかに見やすいとはいえ、やはり光量が余りに不足しているためはっきりとは確認はできないが、恐らくは様々な色彩が使用されているであろうステンドグラスには、5~6人ほどの人物が描かれていた。みな宗教上の重要人物ばかりだと思われるが、私にはそれらがどこの誰なのか、まるで分らなかったが為、それらには特に注意が向くことはなかった。

それに対し、正面の最上部に描かれていたこのΑ(アルファ)とΩ(オメガ)という文字は、しっかりと認識することが出来た分、強く印象付けられた。

もっとも――それが真に意味するところまで深く把握することなど当然、まだ15歳だった私には出来はしなかったが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ