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9-12:防衛装置?

「あれ? 俺たち、外に出たはずだよなあ……?」

「トラップの一種だったのかも? よく考えたら、あんな簡単にダンジョンに出入りできる道があるのも変だし」

「つまり、外に出ようとした場所が悪かったと?

「そういう事。だから、いつもの出口からなら出られるはず」


要は、また第九階層の長い通路を歩いて、登り階段のところまで戻らなきゃいけないのか。

やれやれ、当然とは言え、来た道を戻る羽目になるとは。




部屋の昇降機を使って第九階層に戻り、隠し通路を引き返し……第一階層まで戻った。


「ここを出たら、裏側に回ってどうなっているか確認しないと」

「ああ、あのショートカットが使えないのは勿体ないからな。できれば使えるようになるといいんだが」


などと雑談していたら、もう出口だ。

そして、俺たちは何時もの通りにダンジョンを出た。


「あれ? 何でまたここに……?」

「嘘だろ、おい!!」


俺たちはダンジョンを出た筈だった、その筈だった。

だが、現実には先ほどと同じように、何時の間にか第十階層の部屋に戻されていた。


「ど、どうすんだ! さっきから二度も同じ場所に戻されて、このままじゃ出られないぞ!!」

「お、落ち着いてブラン。多分さっきの場所、ダンジョンの裏口っぽいところを通ろうとしてからの事だから、あの場所に戻って何か手がかりがないか探そう!?」

「あ、ああ……」


内心、かなりヤバい状況だと思うが、ガトーレの言う通りだ。

あの場所が原因だとしたら、そこを探す他ない。




俺たちは昇降機に乗り込み、【1】のボタンを押して一番上まで登った。

裏口の小部屋は先ほどと変わらず小さいゴミが散乱している程度で、散らかっていると言うよりはそもそも物が無いと言った感じだ。


「こんな何も無いところに本当に何か仕掛けてあるのだろうか?」

「こういうのは、一見何も無いところに何か仕掛けてあるのがセオリーだから」


ガトーレは得意げにそう言って大扉近辺を探しているが、中々手がかりを掴めない様子だ。

開いた扉からは外が見えるというのに、その一歩先に出られないのがもどかしい。

俺はガトーレと一緒に仕掛けの調査ができる能力がないので、今は何もできなく余計にそう思う。


「うーん、中々見つからないなあ……」

「!! 待て、ガトーレ! 外から、誰かがこっちにやって来る!」


俺が外を眺めていると、遠くからこちらにやって来る人間が二人いる事に気づく。

二人はだんだん近づいてきて、様子や風貌が分かるようになってきた。

一人は少しだけ上等な服を着た中年の男性、そしてもう一人は俺たちがよく知る男……ギルドの受付のおっさんだった。


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