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8-3:絶対追いついて追い越してやる

「畜生! やってられねえぜ!!」


俺はコップの酒を飲み干し、溜息をついた。


「それにしても、おかしいよね? 噂が本当なら、勇者くんたち何時の間に?」

「あいつら、俺たちがドラゴンを倒している間にこそこそと進んでいやがったんだ」

「そんな……。じゃあ、ダンジョンに……私たちと同じ階層にいたって事?」

「だろうな。ジースたちはダンジョンで見かけなかったんじゃない、俺たちに見つからない様に隠れていたんだ!」


ああ、まったく。

してやられた事を改めて自分の口で言うと、余計に腹が立ってくる。


「ウェイトレスさんから詳しく聞いたら、一部で私たちと勇者くんのどちらが先に第九階層まで行けるかを賭けていた人もいたみたいで、余計にイライラする」


──賭けの対象になるくらいには、俺たちの知名度も上がっているのか。

そうなると、ジースの奴も俺たちに負けまいと必死になっているのかもな。


「まったく、私たちの隙を突いて第九階層まで行くなんて、普通そこまでする!?」

「つい最近、普通ならそこまでしない事を俺はされたんだが……」


ジースの奴、よくよく思い返せば最初から普通じゃなかったな。


「そうだった……。ブランを女に変えた時といい、何でこんな無茶な事ばかりやるんだか」


無茶なのも、それだけジースが必死な……ん、待てよ?

必死だから無茶な事をやっているんだから、無茶やっている分の反動が何処かできているはずだ。

今回だと無理に第九階層に到達したところで、あそこのモンスターをジースたちが倒せるわけがないと言ったところか。

「あまり落ち込む必要もないかもしれないぞ、ガトーレ。俺たちは地道にレベルアップしてきたからな。第九階層まで行けば、すぐにでもジースたちを追い抜けるはずだ」

「そうだけど、そうだけど、やっぱり悔しいッ!」


まあ、そうだな。

後から追い抜ける希望はあれど、やっぱり先越されたのは素直に悔しい……か。


「もうっ、今日は飲むから! ウェイトレスさん、ジュースおかわり」

「ああ、俺ももう一杯頼む」


今夜の俺たちは、とことん飲む事にした。

もっとも、ガトーレの場合はジュースなんだけどな。

酒なんか飲まれた日には、俺がまた介抱しなきゃいけなくなるしな、仕方ない。


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