7-6:三人組
「まあ、ガトーレが報われているって思うんならいいけどな。そもそも、あいつらが何でジースの仲間になったかなんて知らないし」
「えっと、それはね……」
ガトーレが話に食いついてきた。
興味のある話題だったのか、あるいは話したかったのかはわからないが、意外だ。
「私、クーちゃんに誘われて勇者くんのパーティに入ったんだ。クーちゃんと私は元から友達で、彼女勇者くんのファンだったから、そのつながりで」
クーちゃんってのは、確か忍者のアンファンの事だったな。
なるほどなあ、あいつ勇者のファン……つまり、ジースのファンだから一緒にいるわけか。
……あんなのでもファンって付くんだな。
「それで、私がパーティに入ったらクーちゃんの他に、ヒーちゃんと踊り子さんも勇者くんのファンで、三人共意気投合しちゃって今でもあんな感じなんだ」
「……要は、あの三人はジースのファンだから、どんな形であれジースから愛されているならいいって事か」
「そう、そんな感じ!」
やれやれ、ジースのハーレムパーティを作りたいって目標も、一応は相思相愛で報われているわけか。
「しかしまあ、そんな関係であの三人よくケンカしないな」
「ほら、勇者くんヘタレなのか誰にも手を出さないしさ、皆と平等に一定の距離をおいているのがいいのかも──あっ! わ、私に手を出さないブランがヘタレだって言っているわけじゃないからッ!」
「いや、そんな事思ってねーよ──ってか、そんなに顔を真っ赤にして否定しなくても」
「えっ!? そんなつもり……あ、頭がボーっとするかも」
「おいおい、大丈夫か!?」
よく見ると、ガトーレは酔っぱらっているみたいな感じだが……おかしいな?
酒は飲んでいないはずだし……もしや料理か!?
まさか、こんなにも酒に弱かったとは。
「────スー、スー」
……寝ちまったか。
しょうがない。
これ全部食べ終わっても起きなかったら、宿まで運ぶか。




