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5-7:戻して!

ふざけるな!

何が「ハーレム要因にゴツい系の女も必要だ」だ!


「ジース、てめえ! どうやら、力づくで分からせないと駄目なようなだな!!」

「おっと、俺を殺すと元に戻る方法がわからなくなるぞ、ブラン。最も、お前に俺が倒せればの話だがな」


くそっ!

ガトーレがいなければ、勇者のジースを倒せる様な力は出せないッ!

かと言って、ガトーレがいても俺の攻撃は実質の一撃必殺、ジースを殺しては意味がない。


「それじゃあ、今日からうちのパーティの新メンバーとしてよろしく頼むぜ、ブラン……いや、ちゃんとした女の子の名前が必要か。ならば、今日からお前は新入りのルーチェちゃんだ!」

「誰がてめえのパーティになんか入るか!」

「安心しろ、変わりが見つかったら元の姿に戻してやるよ。俺もできる事なら元男は勘弁だしな。元に戻りたいんだろう?」


畜生、何がルーチェちゃんだ!

だが、今はジースに従うしかないか。

元に戻してくれる保証はないが、一緒に行動する事で手掛かりくらいは探れるかもしれないしな。


俺が、自分の身に起こった唐突過ぎる出来事に落胆していると、部屋の扉をノックする音が聞こえた。


「勇者くん! ここにブラン居る!? 自分の部屋に戻ってないし、ここかと思って」


扉越しにガトーレの声が聞こえた。

どうやら、俺を探しているらしい。


「丁度良かった。ガトーレ、今開けるよ。ブランも中にいるから会うといい」


ジースは、扉の向こうのガトーレにそう答えて部屋の中に招いた。

そして、部屋の中に飛び込んでくるガトーレ。


「ちょっと、ブランいないじゃない! それに誰、この女?」

「ううっ、ガトーレ。俺だ、ブランだ。ジースの奴にハメられてこんな姿にされちまった……」


ガトーレは最初こそ怪訝そうな顔をしたが、何故かすぐに状況を理解してジースに突っかかった。


「勇者くん、どうしてブランにこんな事をしたの!?」

「ガトーレ、君に戻ってきてもらうためさ。女の子になったブラン……もといルーチェは俺のパーティに入るそうだ。それなら、君もうちを抜けなくてもいいだろう?」

「そうなの、ブラン?」

「……ジースの奴から、元に戻る方法の手がかりを手に入れるまで……そうするしかないんだ」

「そういう事……私はブランと一緒ならそれでいいから。ブランが勇者くんのパーティに留まるなら、私もそうするだけだから」

「理解が早くて助かる。今日からまたよろしくな、ガトーレ」


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