5-6:ハーレムパーティを目指す勇者ジース
ジースの勇者としての能力?
勇者なんて、生まれつき何故か強い選ばれた存在程度だろ?
「いいか、ブラン。俺の勇者のとしての潜在能力、それは『パーティメンバーの女の子の能力を我が物として使える』だ!!」
な、何て残念な能力なんだ!
いや、無茶苦茶強力なのは分かるが、分かるが、メンバーにいる奴の能力じゃ殆ど意味ねえ!
実質同じ奴が二人いても、役立つ事なんてまずないからな。
「分かるか、ブラン? つまり、お前を女にする事によって俺はガトーレの能力を失わずに済む上に、お前の能力も手に入るわけだ」
「ジースが俺の能力なんて手に入れても役立たんだろ? と言うか、他のメンバーの能力を使えるおかげで、今まで役立った事なんてあるのか?」
「……なッ!」
思わず本音が出てしまった。
だが、ジースの奴も言葉に詰まっている。
図星だったのか?
「そもそも何で女性だけなんだ? と言うか勇者の能力ってそもそも何なんだ?」
「……本当に分からないのか、ブラン?」
「ああ、分からないからちゃんと説明してくれ」
何だよ?
俺、何か変な事でも言ったのか?
「勇者ってのはな、別世界にいた前世の能力を引き継いだ選ばれし者だ。そして、俺が持つ前世の記憶、それは『女の子を口説いてハーレムを作っていた』というもの」
ぜ、ぜ、ぜ、前世!?
ぶっちゃけ「こいつ何言ってんの」って感じだが、ジースの強さが本物なのは俺が身をもって知っている。
それに、この世界に勇者は他にもいるので、信じ難い話だが本当なんだろう。
「俺は、今の世界でもハーレムを、つまりは女の子で構成されたハーレムパーティを作るのが勇者としての自分の使命だと思っている」
「で? それと能力に何の関係が?」
「まだ分からないのか!? 女の子と能力を共有する事で弱点等が見え、どうフォローすればいいかが分かる。これは、ハーレムパーティを維持・成長させるのに重要なんだ!!」
なるほど分からん。
が、ジースの奴がハーレムパーティを作る事に只ならぬ情熱を燃やしている事だけは分かった。
まったく呆れた奴だ。
「もういい! だが、俺が女になったところで男の時と大して変わらぬゴツい姿だ。こんなのハーレムに要らないだろう? とっとと、元に戻しやがれ!」
「いいや、要るね! こういったハーレムに一人くらい筋肉系のゴツい女が必要だと、俺の前世の記憶もそう言っている」




