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4-9:魔法使いと魔力と魔道と魔闘家

「へ? 嘘? ドラゴンやられちゃったの!?」


肩透かしを喰らったガトーレが、自分の理解が追い付かないのか驚いて茫然としている。

……いや、驚きたいのは俺の方なんだが。


最初にファイアドラゴンに喰らわせたパンチは全然だった。

しかし、二回目に喰らわせたものが桁違いの強さだったって事は俺にもわかる。

決して、一回目のダメージが蓄積されていて二回目で粉砕したとかではない。


一回目と二回目、違いは……何だ?


いや、違いなんてない。

俺が、突然レベルアップなりで覚醒したとかならば、何か自覚があるはずだ。

かと言って、逆境やダメージなんかで強くなるなんてマゾスティックな能力が自分にあるとも思えない。


「ま、まあ。私が魔力溜めたの無駄になっちゃったけど、倒せたならいっか」

「あっ、ああ。……そうだな」


そうだ、違いがあるとすればガトーレが魔力を溜めていたことしか……ん、魔力?


聞いたことがあるな。

力を追い求めた格闘家が魔道に堕ちる事があると。

魔の力を体得して使いこなせれば簡単に力が手に入るとも。


そして、魔の力と言えば「魔力」


まっ、まさか、ガトーレが溜めていた魔力が俺に流れたとでも言うのか!?

自分でも気づかぬうちに、魔力でパワーアップしていたとでもいうのか!?


そもそも、他人の魔力が流れてくるなんてことがあるのか?

いや、俺が発する回復のオーラ、おそらくは俺が発する気の力は、ガトーレにも流れて治癒の力を発揮すると言っていたな。

つまり、その逆でガトーレの魔力が俺に作用する可能性だって十分にありえるわけか。


俺はもしかして、自分でも気づかぬ内に魔の力を使う格闘家、さしずめ魔闘家にクラスチェンジしていたのかもしれない。


思い返せばそうだ。

自分の通常攻撃の威力が調整できなかった原因。

あれは、俺の背中に乗っていたガトーレの魔力が不定期に流れてきていて、そのせいで力が安定しなかったからかもしれない。


「あそこに落ちているのファイアドラゴンの首じゃないかな? ブラン、あれを持って帰ろうよ。そうしたらギルドにも二人パーティでやれるって認めてもらえるだろうし」


二人パーティをギルドに認めてもらう……そうだったな。

やはり俺は、魔法使いのガトーレと無理やりにでも別れて、一度一人になるべきだ。


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