28/101
4-4:着実に強くなってます
「ブランさあ、格闘家として強くなり過ぎたせいで回復のオーラにも目覚めているんだよ」
俺、攻撃以外にもそんなに強くなっていたのか!?
思い返してみれば、ここ最近はダメージ受けても直ぐに回復していたなあ。
てっきり、ヒーラーの仕事が優秀だからとばかりに思っていたが、まさかの自給自足なのか!?
「……今の今まで気づいてなかった」
「鈍感……ブランってば強いのに妙に消極的だと思ったら、こんな事だったなんて」
「ヒーラーがいないのは無謀だって、体験しないと気づかないタイプだと思っていたぞ」
「私だって回復の重要性くらいわかっているって」
まさか、一番心配していた回復担当が俺だったなんて。
ってか、こんな便利過ぎる能力に目覚めていたとは。
確かにこれなら俺は大丈夫だが……
「ちなみに、ブランから出ている回復オーラ、密着している人にも効果があるんだよ。だから、私もブランにくっ付いているだけで回復できるし、安心してね」
「そ、そうか。便利だな」
ガトーレが俺を手放したくない理由が、更にわかった気がする。
「ウォーミングアップも済んだし、このまま第八階層まで行くよ、ブラン」




