3-7:案外いい奴……なのか?
「それじゃあ、ブランさんの離脱申請と、嬢ちゃんとの仮パーティの許可書を出すから、この書類に記入してくれ」
俺とガトーレはそれぞれの用紙に必要事項を記入し、受付に提出した。
とりあえず、俺の方の手続きはこれで何とかなりそうだ。
「二人共オーケーだ。最後にジース、ブランド離脱申請に承認のサインを書いてくれ。そしたら、今日のところはこれで終わりだ」
「わかりました」
ジースがサインを書いて俺たちは受付を後にした。
「あのー? ジースさんにガトーレさん、どうでした?」
待っていたラウニーが心配そうに二人に尋ねてきた。
「ラウニー大丈夫だ。全部上手くいった」
「私だけ、まだなんだけど! でも、今日のところは大丈夫。ありがとう、ヒーちゃん」
「そうですか、それは良かったです。先ほどの収穫物の分配も、ルベーヌさんとアンファンさんとで終わりましたので、後はジースさんさえ良ければ」
ラウニーから収穫物の入った袋を渡されたジースは、中身をサッと確認してそれをガトーレに渡した。
何かを抜き取ったかどうかまでは見なかったが、まあ欲しいものがあったなら取っただろう、多分。
「俺の方はこれで大丈夫だ、ガトーレ」
「それじゃあ、残りは売って換金しちゃうね。受け渡しはどうする?」
「今晩にでも改めて酒場でブランの送別会をやろう。金はその時でいいや」
「……ブランと私の送別会、ね」
「そうだった。まあ、失敗したら何時でも戻ってきていいからな」
ジースの奴、俺の送別会を開いてくれるとは。
俺の事、仕方なくパーティに入れている程度にしか思っていないと踏んでたが、案外いいところもあるんだな。
少しだけ見直しちまったぜ。
「行って、ブラン」
そう言って、ガトーレは俺の背中に乗った。
俺は馬じゃねーんだぞ、まったく。
「わかったわかった。ありがとなジース、今晩酒場でまた」
「ああ、じゃあな」




