3-3:ハーレムパーティの清楚系かつ正統派担当
「あのさあ……話を戻していい?」
ガトーレが話を進めようとしてきた。
勇者様のジースの奴は相も変わらず意気消沈しているが……ヒーラーのラウニーがいれば大丈夫か。
ヒーラーと言えば、まとめ役であるリーダーを除けばパーティ内で一番重要かつ必然な存在。
ラウニーも例には漏れず、パーティ内では実質的なナンバー2、サブリーダー的なポジションだし話はできるはず。
……少なくとも、ジースよりかはパーティの事を見ていると信じたい。
「あっ、はい。どうぞ、ガトーレさん」
「昨日のダンジョン探索での収穫物は、手元に残しておきたいアイテムがあったら持っていってね、残りは私が商店で換金するから、それを山分けで」
「わかりました。いつも通りですね」
「それから、こっちが本題。私とブランのパーティ離脱を申請するのに、勇者くんがいないと面倒な事になるんだけど、大丈夫そう?」
「何とかしてみます」
何とかなるものなのか?
まあ、ダメだったら俺が無理やりにでも受付にジースを引っ張って……
「ぱぁーん!」
建物内のエントランスに乾いた音が響き渡った。
「ほら、ジースさん。いつもみたいにシャキッとしてください。話は聞いていたのですから、やる事はわかりますよね」
「うおおお! すまないラウニー、もう大丈夫だ。任せてくれ」
……何か知らんが、流石ヒーラーだな。




