3-2:不運の連鎖を断ち切れ
ギルドに到着すると、何故かジースたちもいた。
いや、俺たちが来なきゃいけないんだし、あいつらが来るのも必然か。
あいつらだって、抜けたメンバーの補填が必要だし、何よりまずは手続きをしないと動けないしな。
「よかった、勇者くんたち来ている。やっほー!」
ガトーレが俺の背中から上半身を出してジースたちに呼びかける。
だが、何だかジースの様子がおかしい。
もしかして、昨日の事をまだ引きずっているのか?
俺みたいに寝てリセットできない奴は難儀だなあ。
「……うぅ、畜生。何で荷物まで失くすんだ。どうして不幸イベントが続くんだ」
「あら? ガトーレさん、おはようございます。すみません、実はジースさんが昨日の戦利品を失くしてしまったみたいで、それで落ち込んでいて」
「ほへ? 戦利品ってこれの事? 昨日、皆と分配するの忘れてたから持ってきたんたけど」
「な、何でお前が持っているんだーーー!?!?」
ジースの奴、ガトーレが収穫物の入った袋を見せた途端に血相変えやがった。
そして、俺の姿を見た途端に、掴みがからん勢いで迫ってきやがる。
「ブラン、まさかお前が間違えて持って帰っちゃったのか!?」
「あのなあ、リー……いや、ジース。仮にもリーダーだったのに、ガトーレが荷物の管理をしているのを知らなかったのか?」
「……へぅっ??」
まるで、衝撃の事実を知ってしまったの様に、声にならない声を出して固まるジース。
……いや、この状況から察するに図星なのか?
「えーっ、と。まあ、見つかって良かったじゃないですか」
ヒーラーの、えっと名前は確かラウニーだっけか、が間に入ってジースをなだめてくれた。




