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2-2:今日はもう寝る
俺は後ろを振り返らず、早歩きで一心不乱に宿屋の自分の部屋まで歩いた。
今日はもう考えたくない、明日にしよう。
力の加減ができずにパーティに迷惑かけるから抜けたはずなのに、俺と組みたいとか何だよ、わけわかんねーよ。
「なあんだ。宿に戻るならそう言ってよ、もう」
突然、後ろからガトーレの声が聞こえた。
あいつ、俺の後をつけてきたのかよ。
……だが、後ろを振り返っても彼女の姿は見えない。
部屋の周りを見渡しても誰もいないし、ドアが開いた感じもなかった。
気のせいだったのか?
「何、キョロキョロしてんの?」
またガトーレの声が聞こえた。
気のせいなんかじゃない。
「ガトーレ、いるなら姿を見せろ!」
「ここよ」
俺の背中からガトーレの顔が飛び出してきた。




