二十三話:迷宮内での戦闘
〈〜こんこらむ:18〜〉魔法について⑥ 地属性
六属性の内の一つにして、基本四属性の一つ。金属、重力系統もここに含まれる。
地→金属・重力→闇の順に開放されていく。闇属性に適性が無くても地属性を極めれば闇属性魔法を習得出来るが、それは至難の業。
代表的な魔法は『ストーンエッジ』『グラビティブラスト』『アイアンウォール』など。
私たちはマルベラの西にある迷宮に来ていた。特命職員としての初仕事という事で気合いが入っていた。
「師匠、元気ですねぇ」
「これをこなせば実力証明にはなるからな。やる気も出るさ。二人はどうだ?行けそうか?」
「はい。機体に異常はありません」
「は〜い。ワタシも大丈夫だよ♪」
フェルミドールの二人も問題は無さそうだ。
私たちは万全を期して、迷宮内へと入っていった。
「おぉ、それなりに人がいますね」
「そうだなぁ。駆け出しを卒業した冒険者たちが最初に挑む壁、みたいなところだしなぁ、ここ⋯⋯」
迷宮内の入口には、冒険者たちの姿があった。装備や動きを見るに、皆それぞれパーティーを組んでいるようだ。
「私、迷宮は初めてなのでドキドキしますね⋯⋯」
「そうだったね。でもまぁ、五階層までは弱いから大丈夫だよ。さ、早く行こう」
私たちは先へと進んでいった。
「⋯⋯お、っと。気をつけて。敵がいる」
「え?いるんですか?」
「はい。魔力反応を探知しました。まもなく接触します」
「さすがご主人様だね!ワタシたちよりも先に気づくなんて♪」
「感覚で判るんだよ。何というか、皮膚にひりつく感じがするから⋯⋯」
「ほぇ〜、そんな感覚なんですね⋯⋯。私には一生分からないでしょうけど⋯⋯」
そう言いながら、アイビスはどんどん落ち込んでいった。もはや自虐ネタと化している気がする。
そんな事を話していると、魔物の姿が確認出来た。
「⋯⋯ゴブリンだ。数は三体か」
「ふーん。見た目は普通ですね⋯⋯」
「あぁ。ここではそんなに強くないから、アイビス一人でも大丈夫だよ。下手したらフェリシアでも倒せるだろうし」
「そもそも、そんじょそこらの魔物じゃあワタシたちのボディには傷一つつけられないだろうし。武器さえあれば行けそうだね♪」
「とはいえ、連携されたら厄介だ。奥のヤツは魔法で仕留めよう。ファルシア、行けるか?」
「問題ありません。初級魔法程度の出力制御なら、私だけで十分かと」
「じゃあお願い。フェリシアは防御よろしく。アイビスは先頭のヤツをお願い!」
「はいはーい♪」
「任せてください!」
アイビスは返事と同時に敵へと突っ込んでいった。フェリシアも防御態勢に入る。
私とファルシアは魔法の発動態勢に入った。
「魔力制御を開始します」
「よろしく。ゴブリンの胴体を貫ける程度で良いから」
「了解です」
私は右手のハンドソードを展開し、正面に構えた。狙いは後方のゴブリン二体だ。
足元に魔法陣を展開し、右手に魔力を集中させる。
「アクセス開始。魔力出力制御、五パーセントに設定。反動制御」
ファルシアから魔力光が発せられた。その光は足元の魔法陣に流れ込み、少しづつ右手に魔力が集められる。
「チャージ完了。ご主人様、今です」
「了解。⋯⋯《サンダーバレット》」
私は魔法を発動させた。雷が剣を纏うように出現し、そこから二本の雷が飛んでいく。そしてそれは、後方の二本のゴブリンを吹き飛ばした。
貫いたのでは無い、文字通り吹き飛ばした。跡形も無く。
「え?」
などと驚いている内に、アイビスは先頭のゴブリンの首を斬り落としていた。ますます腕が上達しているように見えた。
「⋯⋯待て待て待て。ちょっと待って」
「?」
「ファルシア、ホントに制御出来たんだよね?」
「はい」
「じゃあなんでゴブリンは木っ端微塵に吹き飛んでるの?胴体を貫く程度をイメージしてたのに⋯⋯」
「ご主人様の魔力総量が多過ぎるのです。今回は五パーセントに抑えましたが、次からは二パーセントにまで抑える必要があると判断致します」
「⋯⋯」
「あはははっ!ご主人様スゴーイ♪」
私は唖然としていた。まさかそこまでとは思わなかった⋯⋯。
「〜〜♪」
そんな私たちをよそに、アイビスは一人、ゴブリンの魔石を回収していた。
正解が分からないままに執筆しております。
(こんこらむって要らないような気がしてきてます)