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ダブル・ダンジョン・マスター・ミミック



「俺は、このダンジョンを経営して、もう300年になる。しかし、ヴァンパイアはアンデッドだ。知ってるか、エリエント王国の魔王、ドラキュラ公でも200年、その元首を勤めているが、俺は300年、300年もの間、ダンジョンと「ギルド」、二つの組織の元締めをしてきた。

俺はもう疲れた。ずっと探していたんだ、俺の代わりを。


女神の集金は、なんのために行われる?そして、いつまで続く?女神は神だ。比喩でなく、永遠の命を持つものだ。俺は死なないが、いずれ老い、そして朽ちる。

それまでずっと、自由はないのか?俺は発狂しそうなんだ。どうか、俺の願いを聞いてくれ。頼む。」


「悲壮感たっぷりに言うから、なんとなく流されそうになったけど、それって単純に『働きたくないから、代わりに働いてくれ』ってことだよな?」


「バレた!!!」


ジキルは大笑いしている。しかし、どこかしら真実味を帯びた話でもあった。実際、永遠に拘束され続けるのは、苦痛だろう。


「でも、お願いは本当だから、もしやりたくなったら、言ってくれ」


「ちなみに、見返りはあるのか?」


「そうだな、ダンジョンの収益と、「ギルド」を自由に使える権利だけでも、欲しいやつなら、いくらでもいそうなほどの見返りだと思ったんだけどな。足りないか?

そうだな、俺に渡せるもんと言えば、あとは、あ、爺はどうだ?結構、色々使えるやつだぞ?」


爺と呼ばれたのは、先ほどの老紳士か。執事然としていて、まさに誰もが思い浮かべる「じいや」そのものの方だ。


「じいさん、それでお前はいいのか?」


「私は、名もない雇われです。私に意思決定は出来かねます」


「と、言った具合なんだ。どうだ、俺だって、多少の愛着はあるが、正直1人でも言うことはない。ただ、一から執事を育てるのは、大変だぞ?

しかもヴァンパイアだから、タフだしな」


うん、執事か。秘書はいるが、ステラは家庭教師みたいなところがあるから、事務的な管理をしてくれる人がいてもいいなぁ。


「よし、いいぞ。お前のダンジョンとギルド、貰った!」


「え、マジで?マジで言ってんの?」


なんだか、人助けという気もするし、別に悪い話でもないと思った。しかも、やはり美味しい話だと思った。管理は名目だけでいいのだ。実際の管理は、そりゃ、ダンジョンが2つともなれば大変だが、『洞窟』でもある程度成功したし、現状の『魔境』も、先輩たるジキルが運営してたんだから、そこまで酷いもんじゃないだろう。


「ちなみに『魔境』は、どれぐらいの収益なんだ?」


「波はあるが、月に30万Gと言ったところかな」


「・・・30万?」


「うん、30万。いや、あれほどに『洞窟』を蘇らせたミミクの腕なら、もっと上げられると思うぞ?俺も300年コツコツ調整したが、なかなか難しいよな。売り上げは全部お前にやるから、俺を女神から解放してくれ!」


「・・・30万?」


「だから、そう言ってるだろ?300000G/Mだ。

俺はコインに興味ないから、全部モンスターに投資してるんだ。あと、餌用の宝箱なんかにな。

だから、貯金はないぞ!大陸用のCなら少しはあるが、俺は旅に出たいんだ。その資金だけは残してくれよ、頼むよ。・・・わかった、女神の束縛から抜け出せるなら、それも、いやでも、やっぱり・・・」


・・・30万G?驚いた。驚いて顎が外れるかと思った。人間形態だからあるが、実際には外れない。え、30万・・・。これは大変なことになったぞ。ちょっと実感がわかない。え、ていうか、それだけ稼いでるのに、パラメータには振らないのか?


「“換金(エクスチェンジ)”?なんだそりゃ、俺が女神から貰った贈物能力(ギフトスキル)は“課金(チャージ)”って言って、配下の魔物を強化する能力だ。ダンジョンも強化できるぞ!」


完全に“換金(エクスチェンジ)”の下位互換能力だ。300年も前に貰った能力だから、バージョンアップしてんのかな?


「“換金(エクスチェンジ)”って、どんな能力(スキル)なんだ?」


「それはな」


俺は正直に言った。色んな思いがかすめたが、嘘をついても、罪悪感が残るだけで、特段なにかが良くなるわけではないと思ったからだ。


「そいつは、えげつない能力だな。だが、俺にはもう興味がないことだ。お前がその能力を使って世界征服を企もうが、俺には関係ない。ただ、俺の自由を奪うようなことになれば、徹底抗戦してやるがな!」


さっぱりした男だ。ちょっと好きになった。


「うん、やはりお前に任せる。そんな重要な話を俺にしてくれたぐらいだ。お前の誠意は受けとった。先ほどの約束したもの、お前に全て渡そう。旅行資金以外はな!」


そうして契約は成立した。現状のダンジョン、ギルドの整理をしてくれるそうで、その準備をするということで、正規式な移譲は来月ということになった。


さまざまなことに思いを馳せながら、帰路につく。途中、やっぱり村の店で飯でも食おうかと思ったが、車を待たせているし、なによりミコとステラに悪い。今度は車に乗せて、ドライブに出掛けよう。


遅くなりました。校正祭りを開催していました。追記した部分もあるので、ぜひ復習してみてください。

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