第二話 「俺は面倒ごとに巻き込まれている」
「はぁ…」
俺は転校してきた金髪美少女 立花 光莉に裏切り者扱いされ、ただでさえ少ない友達が更に少なくなった。そろそろ体育祭やら、文化祭やらあるのにさぁ。このままじゃボッチにまっしぐら件についてww
もう、ツッコミする気力も失せてきた。
あれから立花に話しかけられることは無くなったけど、そっから進展がないんだよなぁ。まじでどうしよ…どうしよ…どうしよ…どうし…
「少し話がある。付き合え」
ご本人登場致しました〜。こういうのは立花が勘違いして『べ、別にそんな意味で言ったわけじゃないんだからね!?』みたいな感じになるはずなんだが、状況が状況だ。ふざけている場合ではない。
「で、どこに行けばいいんだ?」
俺は声をかっこよくして言った。え?かっこよくないって?…うるさい。
「校舎裏だ。こい」
こっわ。殺気で死にそうなんだけど。でも、ここは強気にいかなくちゃな。
せ〜の
「はい…」
俺は小声でそう答えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「話って何だ?最近お前のせいでボッチ気味になってるんだが」
「安心しろ。すぐ終わる」
安心?終わる?何言ってんだコイツ。
「へ?」
立花はいつのまにか金の槍を持っている。いったいどこから出したんだ?ちょっとカッコいい…
その槍を俺の顔の前に近づけてくる。
「はぁぁぁぁ……っっ!!!」
その槍が頭へ進んでくる。しかし、俺にはその槍がカスリもしなかった。
というより…
「何すんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「とぼける気か?貴様が刺される理由なんて決まってるだろう?」
「な、何の事だ?」
「そろそろ飽きれてきたぞ、いつまで誤魔化す気だ?ルシファーよ」
え、今ルシファーって言ったよな。確か鶴岡もそんな事言ってたような気がするな。立花もそういう痛い子なのかなぁ。
そういえば、今殺されそうなんだったわ。
とりあえず……逃げるっっっ!!!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここまでくれば大丈夫…なんて思っていない。これは単なる時間稼ぎにしか過ぎない。次見つかれば今度こそ、殺される気がする。
翼があったから、それなりに移動は速いはず。
まぁ、10分ぐらい稼げれば…
「時間切れのようだな、ルシファー。これで終わりだ」
もう一度、いや前より力のこもった槍が俺の体に近づく…
もう来ちゃったよ。やばい…死ぬ……っっ!!
「え?……お前?鶴岡か?」
俺の目の前には真っ黒な翼が生えた鶴岡が写っていた。
「なぜ、貴様がここにいる!?コイツを守る理由なんてないだろ!?」
「何度も言ってるじゃない、私は彼が好きだからよ。奏君はもう、ただの人間よ」
鶴岡が眼鏡かけてないし、普通に喋っているな。まぁ、そんな事はどうでもいいのだが、一体コイツらは何を言っているんだ?
「嘘をつけ!ヤツはサタンを殺したはずだ!?それに私も…」
「嘘じゃないわ、ルシファーはサタンに殺された。しかも、立花さん、いやミカエルのためにね」
「どういうことだ!?」
「彼が最後に受けた依頼は、貴方が知っている通りミカエル殺すこと。でもね、彼は依頼主をサタンだと特定し、城に乗り込んだけど、殺されてしまったんだ」
「じゃあ、なぜサタンはどこにいるんだ!?」
「多分、天界が誤った情報を立花さんに教えたんだと思います。立花さんが教えてもらった情報のサタンとルシファーの部分を逆にしてみてください。これで辻褄が合うはずです」
「……っっ!!」
立花 光莉はその場に泣き崩れた。
「泣かなくても、いいんですよ」
「葵さん………」
俺は口を開けて見ることしか出来なかった。
ところで、一体コイツらは何の話をしていたんだ。
俺にはさっぱり分からない。
とりあえず、進展があったってことでいいんだよな?