第一話 「俺はこれからどうすれば」
「さて、どうするかなぁ」
俺はとある教室前で、大きなため息をついた。
ここは、オカルト研究会の部室。俺が嫌いな女がいるところだ。
「失礼しま〜す…」俺は小声で言った。
「入れ」彼女は大声で言った。
この黒髪丸眼鏡は鶴岡 葵。何度も言うが俺は葵が嫌いだ。
だって…
「よく来たなルシファー、このベリアル様と話がしたくなったのか?」
バリバリの厨二病なんですもん。
いやぁ、ここまでくると気持ち悪いを通り越して、むしろ清々しいよね。うん。
てか、俺のことルシファーって呼ぶのやめろ。
丸眼鏡で厨二って属性多すぎじゃない?
まぁ、今はそんなことより…
「あぁ、相談をちょっとな」
「どんな事なのだ、裏切り者」
「絶対事情知ってるよね!絶対知ってるよね!」
大事なことなので二回言っちゃったよ」
「学校一の嫌われ者になって今どんな気持ち?ねぇねぇ今どんな気持ち?」
「うぜぇぇぇぇぇぇ」
「ねぇ、この会話に重要性を感じないんだけど」
「お前から始めたんだろ!」
はぁ、こいつと会話すると毎回疲れるなぁ
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「で、初めて会ったはずの金髪美少女に裏切り者扱いされて悩んでいると」
「あぁ、簡単に言えばそんな感じだ」
「その立花 光莉ってヤツに何やったか聞いてみたらどうだ?」
「一回してみたんだけどさぁ、睨みつけられるだけなんだよなぁ」
「それはルシファーがコミュ障だからだろ」
「返す言葉もございません。てかルシファーって呼ぶな」
ちっ、この悪口悪魔が。
「ベリアル様が立花 光莉にルシファーが嫌いな理由を聞いてやってもいいんだぞ」
「ありがとうございます、天使様」
スカッと開き直ったことには触れないでくれ。
よし、これで立花から嫌われている理由を聞けばここからの逆転方法が見つかるかもしれない。
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「本当に放課後の校舎裏に来るのか?」
「そろそろ、待ち合わせの時間だ。どこかに行ってろ」
「もっと優しく言ってくれても」
「これでいいのか?立花 光莉」
「ありがとう、鶴岡さん。いや、ベリアルと呼んだ方がいいか」
「君もそういう趣味なのかい?私は奏君の前でしかあまりそういう事はしないようにしたいんだが」
「隠さなくてもいい。誰にも言わない」
「気付いていたんですか、天使ミカエル」
「なぜ、君はルシファーに近づくんだ」
「私は彼が好きだからよ」
「正気か?アイツはお前達も裏切ったんだぞ」
「それに、もうルシファーはいない」
「そんなのデマだ。日下部 奏は人間の名前を持っただけの怪物なんだ」
「じゃあ、なぜあなたはすぐに彼を殺さないの」
「よ…様子を見ているだけだ」
「ふ〜ん、本当にそれだけなの?」
「で、話はそれだけか?」
「うん。でも一つだけ言わせて」
「何だ?」
「君までも堕天してしまったら、彼はとても悲しむと思う」
「…………貴様には関係ないだろ」
彼女は颯爽とその場を後にした。
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「何か聞けたか!?鶴岡!」
「ああ。大きな情報を聞けたぞ、ルシファーよ」
「ど、どんな情報なんだ!?」
「これで、手がかりが見つかれば、みんなの誤解を解くことが出来る筈だ。
「『顔がうざかったから八つ当たりした』ということらしい」
「はぁぁぁぁ!?」
無理じゃん、なんだよこれ。俺の遺伝子全面的否定しにきやがったよこいつ。俺のガラスのハートが粉々に砕けちゃったよぉ。
これは、鶴岡の冗談ってことでいいよな?てか、これ俺ディスってるよな。
鶴岡 葵に相談したが、進展が一切なかった。
これからどうしよう、もう頼れるヤツいないぞ。俺のバラ色の高校生活はもう帰ってこないかもしれないな。
ははっ。ま〜た文章で笑っちまったよ。