表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

第3話 ネッコカフェ

僕は、ラケシスの羽の生えた馬で、街に連れて行かれた。

上空から見下ろした街は、10メートルほどの城壁に囲まれており、東西南北に門がある。

中央には城が見える。

巨人から守るための壁を思い出させる街であった。

城壁の上には、大型のクロスボウのようなものが備え付けられている。

門は、完全武装の中世の騎士のような男達が警備している。

なるほど、どうやら城塞都市じょうさいとしのようだ。


ラケシスは街の外にある馬屋に馬を預けた。

そして、僕は、ラケシスに支えられて城門に向かった。

なぜなら、左足が骨折していて1人では歩けないからだ。

馬屋の主人などは、ラケシスに「そいつは誰ですか」みたいなことを訪ねていたが、ラケシスは戦士様だ、とかいようなことを答えていたような気がする。


僕が城門に向かうと、身分証の提示を求められた。

しかし、僕は、身分証など持っていない。

ラケシスは僕のことを邪龍と戦って負傷した勇者だと紹介した。

どうやら、ラケシスの言葉は、警備兵にとって十分な説得力を持っていたようで、警備兵が僕を見る目に畏敬の念が感じられるようになった。

そして、ラケシスが身元保証人になることで街への入場を許可された。

僕には、仮身分証が発行された。


「タカシ、とりあえず、怪我を癒さないとね」


ラケシスが僕にそう言った。


「クッ、確かにこの怪我では身動きがとれないっ、しかし、僕も戦士だ。このくらいなんてことないさ」


僕は自分を強く見せようと、精一杯虚勢を張った。

折れた足で、無理やり歩こうとしたが、グキッと左足が折れ曲がった。


「そんな傷で無理をしてはダメよ」


ラケシスは、僕を支えて立たせてくれた。

うおーっ!ムギュっとでかいおっぱいの感触が伝わってくる!

これはラッキーだ。今日もきてるぜ!

僕は、勃起した股間を隠すためにまるで闇に潜む暗殺者のように前かがみになった。


「グッ、すまない。助かるよ、ラケシス」


僕はカッコつけてそういった。

僕は、ラケシスに街で一番でかい宿屋に連れて行かれた。


そして、部屋をとってもらうと、僕はベッドに寝かされた。


「そういえば、タカシ、装備や道具はどうしたの?」


僕は突然の質問にドキッとした。

正直に転移のことを話すべきかとも思ったが、ここは適当に話を合わせようと思った。


「実は、邪龍にやられて気を失っている間にすべてなくなってしまったんだ」


ラケシスは悲しそうな顔をして話を続けた。


「この国では倒れた冒険者から装備を剥ぐのは禁止されているわ。でも、そういう規則に従わない冒険者も多いのよ。追いはぎや盗賊も多いし……」


ラケシスは信じてくれたようだ。


「クッ、僕がふがいないばかりに何の関係もないラケシスに迷惑をかけてすまない……」


僕は、本当にすまなそうな悔しそうな顔をしてそう言った。


「いいのよ、気にしないで。私は、冒険者ギルドに報告に行ってくるから、タカシはゆっくり休んでね。必要ならお金はおいていくから使って」


ラケシスは硬貨の入った皮袋を机の上において、そういった。


「ああ、わかったよ」


僕は、ラケシスを見送った。

お金も恵んでくれるなんてラッキーだぜ。


僕は、ラケシスが宿から出て行くのを確認すると、即行で皮袋の中身を確認した。

皮袋は中で、3つに仕切られていて、それぞれに金色、銀色、赤色の硬貨が入っていた。

うーん。金貨、銀貨、銅貨かな。


僕は、この世界の金も知識もないから、とりあえずそのへんから勉強しないといけない。

そう思って部屋の中を見回した。

部屋の中には、【はじめての城塞都市マルス徹底ガイド】なる本があった。

この街はマルスという名前らしいな。

僕は、その本を手に取って読み始めた。

各種ギルドがあること、歓楽街では獣人女の子のおっぱいパブなどがあることが分かった。

ネッコ獣人おっぱいカフェは銀貨3枚ぽっきりかー。

僕は、大の猫好き、猫マイスターであったため、ネッコの獣人カフェには絶対行こうと思った。


さらに、この世界の通貨は、金と銀と銅という硬貨であることも分かってきた。

各種族がそれぞれ硬貨を製造しているらしい。

食べ物などの値段を見ていると、どうやら銅貨1枚が日本円に換算して10円程度の価値があることが分かってきた。

銀貨は1000円程度、金貨は10万円程度だ。

なるほど、それぞれ下位の硬貨の100倍の価値があると覚えておけばいいんだな。


僕は、読書に飽きてくると、さらに部屋の中を探索することにした。

そうすると、ウェルカムポーションという文字が書かれた籠があった。

その中には赤い液体が入ったガラス瓶が2つ入っていた。


「なになに、宿泊者1名につき中級治癒ポーション1個サービス、か」


僕は、治癒ポーションを飲めば足の怪我が治るかもしれないと思い、赤い液体の入ったポーションを飲み込んだ。


そうすると、僕の左大腿骨の骨折がバキバキメキメキ音を立てながら、まるで魔法のように治ってしまった。

不思議と痛みはない。


「おおおおっ!さすが魔法の世界!加療6か月の大腿骨骨折が一瞬で!」


僕は怪我が治ったことに興奮した。


「イヤッホー!」


僕は、怪我が治ったことに興奮した。

さっそく、ネッコカフェに出発だーーっ!

僕は、まるでさかりのついた犬のように腰をカクカク振りながら宿を飛び出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ