リレー
走る順番は、先生と話し合いながら自分達で決めた。
女子は、可奈、亜季、私。
男子は佐久間、菅原、岡野。
誰が第一走者になるか、アンカーは誰が勤めるか。どうすれば他のクラスを出し抜けるか。6年生の私たちは知恵を振り絞って作戦を練った。
最後のリレーなのだ。去年からの持ち上がりのクラスなので、ほぼメンバーは一緒なのだが、誰が何番目を走るかが最も重要なのである。
どのクラスでもそうだが、全員が同じレベルではない。もちろん、速い順に選手に選ばれたわけだが、敵がどういう組み合わせで来るかは分からない。
原則は一走目が女子。
その後は男子と女子が交互に走り、アンカーは男子が勤める。
一番速い男子がアンカーになるのはセオリーだが、それ以外は未知数である。
追われる方が速く走れる子、逆に追いかける方が得意な子。走り方にも個性がある。
そこで私たちのクラスは、タイムの遅い順から走る、という作戦で行くことにした。
亜季、岡野、可奈、菅原、私、佐久間の順で行く。
最初は3~4位でスタートし、それを保ちつつ5順目の私が2位まで順位を上げ、佐久間に繋ぐ。そういう作戦だった。
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予定通り、亜季は3位につけている。4位でも構わないと思っていたので、予想より良いスタートだ。
1位に立った3組が圧倒的に速く、継いで5組、その1メートルほど後を亜季が走っている格好だ。
トラック半周で100メートルを走ると、そのまま岡野にバトンが渡った。




