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13年前

 13年前…。




 澄み渡った青空は、まさに秋晴れの名に相応しい。

 

 小学校生活最後の運動会である。赤軍である6年4組は一致団結し、着々と軍の勝利へ貢献していた。

 運動会の最後の種目、リレーは特に気合が入っていた。例年、一番の盛り上がりを見せる。全校生徒は勿論、応援に来ている保護者も、自分の子供が出ていなくても手に汗握って応援してくれる。それがラストを飾るクラス対抗男女混合リレーだ。


 私は今年もリレーの選手。1年生の頃から毎年選ばれていた。身体は小さいけれど、足だけは速い。男子からは俊足チビ、と不名誉なあだ名で呼ばれることもあった。

 去年は惜しくも2位だった。リレーの面白いところは、個人の力だけでは絶対に勝てないこと。チームが一致団結しないと、思わぬところにほころびが出る。

 去年は2位だった。今年こそ絶対、1位になってみせる。


 

 私の走順は最後から2番目。アンカーにトップでバトンを渡す。アンカーは佐久間。横暴で、イジワルで私の事を【チビ】って言ってしょっちゅうからかうイヤなヤツ。でも、時々優しいからドキッとしてしまうこともある。



 

 競技やダンスは滞りなく進み、とうとう最終種目のリレーになった。各クラスから選手たちがトラックに集ってくる。一クラス男女合わせて6人ずつ出場する。5組あるので学年全体で合計30人。全員がクラスごとに整列すると、第一走者がスタートラインに立った。

 

 斜めに並んだ走者が腰をかがめ、スタートの体勢に入った。




「位置について……」




 先生がピストルを高くかざし、引き金を引いた。





 パンッ……


 弾ける音が響くと同時に、走者がいっせいにスタートを切った。


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