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水を確保せよ!

 ……俺が異世界に転生してから丸一日経つ。いつ頃からか、他国の人のしゃべることもなんとなく分かるようになっていた。(まじでなんで)

 

 早速、話を聞いてみて分かった事がある。

 まず、ここにいる全員が第三次世界大戦の犠牲者だったのだ。

 そしてもう一つ。出身地をきくと、アメリカ、日本、中国、フランス、ドイツ、ケニア、オーストラリア、ブラジル、ロシア、の出身の人がそれぞれ2人ずつこの異世界に来ていることが分かった。


「さて、どうしようか」


 もう1人の日本人、涌井翔悟がぼそりとつぶやく。

 彼は、生前、ト◯タで働いていたらしい。そして賃上げの報告を聞いておおいに喜んだ矢先、世界大戦で家族を庇って死んだらしい。(なんてかっこいい父親だ……!)


 「私、お腹空いたわ。もう動けなくなりそう。」


 ロシアの人とアメリカの人が口を揃えて言う。


 確かに腹が減った!!もう死ぬ! (おととい死んだばかりなのに……)



  ……と言うわけで班別行動だ。

 班は大きく分けて3つ、1つ目は水をろ過する4人。2つ目はきのみの採集する4人だ。ん?毒があるかもしれないからやめろって?大丈夫。どうやらケニアの人に毒をよく知る人がいるらしいからそこは安心して任せておこう。そして最後は、獣を狩る人、8人だ。

 「日が暮れる前にここに集合するように」そうアメリカ人のケビンが得意げに言った。



 俺は……ろ過か……なんか地味ぃぃ。


 そんなわけで水をろ過する。

 まず大前提として、煮沸をする、すなわち火を起こさないとならない。そうでもしないと細菌に腹を壊されておだぶつだ。


 俺は、火を起こすジェスチャーをする。

 おぉ、察しがいいな。もう小枝を集めてくれている。

 そして木と木を擦る。もちろん火ができるわけがない。

 (あぁ!どうしたものか……)

 とりあえず、ススキのような植物を木の上に乗せてもっかいこする。

 無理だった。


 もう3時間は過ぎた。ただでさえ、水が足りないのに体動かしすぎて脱水だわ。


 (……まって、転生序盤から詰んだ……?)


 そう、絶望しかけたとき……ふと思い浮かぶ。


「おい、涌ちゃん、それ凸レンズか?」


「お、おぅ、俺遠視だからさ」


 (……おっしゃあァァァ!きたァァァァ!!)


「ちょっと拝借」

 

 俺は構わず、涌井のめがねを借りた。そしてそれを日光が木とススキもどきに集まるように合わせた。


 「……ブン……ブォン」


 火は今までの苦労はなんだったんだと思えてしまうくらい簡単についた。


 「おっしゃぁ……!きたァァァァ!!ようやくだァァァァ!!」


 天野、涌井、そしてフランス出身のうちの1人、エマと共に喜びを分かち合った……!


 ろ過装置の方はもう1人のフランス人、アダムが完成させてくれた。

 

 「待たせてごめんな、アダム」


 「全然!ナイス火おこし!!」


 飲める水は少しずつ出来ている。


「よっしゃァ……!」


 この4人の中で少し友情が芽生えた。



そして夕暮れ前、3つのグループが集結したのだが……


「お前などいらん!」


「は!?ふざけるな!」


 ある1つのグループから怒声が響き渡っていた……

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