効率の良い生き方ってなんだろう
確か、芥川龍之介の随筆だかで、地獄の責め苦も同じ事の繰り返しなら人は慣れる、何が起こるかわからないから怖いってあったなぁ。
ゴールが本当に明確に決まってて、そこにたどり着く道に他の選択肢はなく、何の変更もなく進めなさいと言うことなら、効率よく進めて行く事はある程度可能だと思うんですね。旅行でも仕事でも。
ある程度と言うのが何故かと言うと、まったくトラブルなしに進めていけるとは限らないから。安全に見えた道が突然崩落する事が無いとはいえないし、天候の悪化や金策の悪化もあるだろうし、人が判断を誤って迷ってしまう事もあるしと考えてたらきりがない。だから、ある程度効率よくとしか言えない。
シンプルな装備が無駄がなくて良いと思えたのは順調にいってる時で、遭難したら無駄たと思って置いてきたあれこれがここにあったらと願うこともあるだろうし。
もしもの為にあれこれ詰めこんだ荷物が、助かる為の場所にたどり着ける体力を、途中で奪うこともあるし。
出来るだけ効率良くと考えた色々なことが、効果を発揮してくれて、本当に効率良く進むケースってどのくらいなのかなって考えちゃうんです。この頃。
ゲームみたいに、最初から最後まですべてプログラムされていて、起こるトラブルもすべて想定されたもので、それを回避する方法も決まっているなら、効率よく攻略も出来るんだろうけど。
人生っていざという時、何が自分を助けてくれるか本当にわからないんです。人がある時までは羨んでくれていた生活が自分の首を絞めたり、散々馬鹿にされてきたことが最終的に自分を救ってくれたりと、その時々で違うから。
作業なら、効率よくするのは良い。ただの作業なら無駄なく効率良くですむんでしょうけど。
生きていくには、人が考えた効率ってあんまり関係ないのかも。タイパと言って見てる、倍速の数十本の映画より、繰り返しすみからすみまで見てしまう一本の映画の方が、時に人生を幸せにしてくれる事があるみたいに。
私の知人で、あの長い長い映画のタイタニックを、映画館で4回も見た人がいます。タイタニックの悲劇や主演のデカプリオには特に関心がなさそうなのに何でだろうと思ったのですが、あの映画のタイタニックに乗っている乗客の着ている素晴らしい衣装は、見るたびに新しい発見があり、あの長い映画を全然退屈なしに見られたそうなんです。驚きましたよ。そういう視点であの映画を見てるなんて想像もしなかったから。
でもね、効率を考えて、タイパを大切にする人がタイパで得られるものは、あの長い映画を見る時間の間、素晴らしい衣装を目に焼きつけながら、ただただ幸せに過ごした知人が得たものより大きいのかなあ何てこの頃思ったりします。
ちなみに、誘われて見た私は一回で音をあげました。じっと座ってるだけでもなかなか大変ですからね。立ち上がる時、身体がバキバキいいましたからね。
でも、あれも良い経験だったのかなと思います。その時はそんな事、夢にも思わなかったけど。
そんなものなんです。




