物語の力
物語の力の素晴らしいところは、人の心を奪うところ。感情を掴んで、揺さぶるところ。
その人の日常を忘れさせるくらい。
そう、物語って、そんな力があります。
だから、良い物語に出会うと、人はのめり込む。それこそ寝食忘れて物語を読み耽った事、このサイトに来る人なら、たいていは経験があるんじゃないかと思います。
SNSで起こる詐欺。それも物語を含んでいるんですね。決して良い物語ではないけど、後で考えると無駄に心を傷つけるだけの物語なんですけど。
詐欺師とのLINEのやり取りの末、私は結局大金を架空の投資につぎ込んでしまいました。欲があったのは事実なんですけど、なんて言うか私の場合、金銭欲はあんまりなかったんです。信じがたい話でしょう?大金つぎ込んで何言ってるんだって思うでしょう?
でも、ある意味では本当のお話です。だって私、投資でいくら儲かったかなんて、気にせず続けてましたもん。
では、何に心を捕まれたのか。それが物語だったのかなって。
詐欺師とのやり取りの間に生まれてしまった物語。現実には存在しないヒーローやヒロインに、胸をときめかすあの感じを詐欺師にもってしまう。これが本当に危険。
途中、思うんですよ。やっぱり。これは架空の物語なんだよねって。
なのに、心を捕らわれてしまうと、その物語にどんどんのめり込むんです。そのうち、疑った自分を叱りはじめますからね。本当に怖いわ。
もちろん、単純に欲ではまる人もいるでしょう。ただそんなに簡単なことじゃなかったんだよねと、今になってしみじみと思います。だから、感受性の高い、シンパシーの強い、善良な人が犠牲者になるのかな。
あ、私の事は、ただのうっかりものだと思って下さい。
ただ、犠牲者の中には、本当に純粋に、その物語を愛して傷つけられた人がいっぱいいるんだろうなと推測されるので、世間の人ももう少しそんな人達に優しくあって欲しいと思うんです。薄っぺらい同情の言葉とか、訳知り顔の言葉とか、ただうずくまって泣きたい時には有効かもしれないけど、立ち上がって歩こうと思ってる人には邪魔になることもありますから。
じゃあ、どうするのが正解なんだよだって。
それがわかればねぇ。ため息