手をつないで
手をひいて欲しかったんだと思う。こっちだよって迷いのない力で、引っ張って欲しかったんだと思う。
いつも、いつも、手をひく役目ばかり回って来るから。
「これは、何?」
「どうすれば、いいの?」
誰も満足にそんな事教えてくれなかったから、一人で必死に考えて、間違って、落ち込んで、やっと出来るようになったら、今度は次から次へと頼ってくる人ばかり。
少しは自分で考えてよ。解決を人任せにしないでと心の中では思うけど、わからない心細さを知ってるから、手助けする。
ありがとう、頼りになる。どういたしまして。
何だか、疲れるな。
手をひいて欲しかったんだと思う。
大丈夫、出来るよ。手伝うから。任せて。こっちだよ。
そんな風に言う声に、頼って任せて、ただ安心したかった。私の大嫌いな思考停止、そのままだったのに。
その時はそれを、ひどく心地よく感じて。
本当に馬鹿みたいだったなあと思います。
詐欺師に甘えて、手をひかれて、連れて行かれる道が、安全なわけないのに。
手をひいてもらうのは、もうやめる。手をひくだけももうやめる。
今度は、ちゃんと手をつないで、相談しながら一緒に進む。
そうしたい。そうできたらいい。ゆっくりしか進まなくってもいいから。
今はそう思うんです。
それにしても、あの詐欺師、本当に励まし上手だったな。真面目に働け(笑)




