怖いけど怖くない
台風が近づいてきたり、激しい豪雨が襲ってきたりすると、怖いのだけど心のどこかでそれを待っているような不思議な気持ちになるのはどうしてかなとずっと思っていたけど。
最近になって、人がどうやっても敵わない大きな力を感じることができるからなのかなと思うようになった。
たくさんの人間に囲まれて暮らして、たくさんのものを羨んできていた。大なり小なり皆、そうなんじゃないかな?自覚は無くても。
キラキラした才能。生まれながらにして持っている地位や権力。
好きなように使える時間やお金。称賛される美貌。
自分に無いそんなものを、あらゆる場所で見せつけられて、勝手に負けた気分になって、少し惨めで。
だけど、襲ってくる自然の力はあまりに圧倒的で。
どんなに羨んでいる人達だって、誰も敵いはしなくて。
簡単に吹き飛ばされる人の営み。
ああ、人間のできることはこんなにちっぽけなのかと
過ぎ去る度に感じる。
傲慢に生きている、手の届かない所で人を見下ろしておるように見える、どんな人間にもどうにも出来ないんだと。
そう思うと
なぜだか少し安心する。
人がどんなに進化しても、何でも出来ると思いあがっても、勝てはしない怖いものがあることに
少し感謝もする。




