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1日の終わりに
特別なことがないままに、終わる1日
代わり映えのしないメニューの朝ご飯を食べて
いつもの顔におはようの挨拶をして
同じような内容の仕事をこなし、疲れたななんて欠伸をして
あれやこれやを一通り片付けたら
そろそろ帰る時間かなと時計を見る
夕焼けを眺めながら、ささやかな買い物をして
熱のこもったアスファルトの道をぶらぶらしながら家まで歩いて
窓を開けて、少しだけ涼しくなった風を入れる
あちこちから漂う夕食の匂いに混じる
私の作ったカレーの匂い
夏野菜がたっぷり入ったカレーをお皿に盛って
いただきますとつぶやく
洗いものを済ませてから
柑橘系の爽やかな香りの入浴剤を入れたお風呂で
ゆっくり手足を伸ばす
お風呂から上がったらベランダで
ふっくらしてきた月を見る
ビールの缶を片手に
なんてことのない1日
退屈な繰り返しのような1日
寄せては返す波のような、穏やかな1日
その幸せには、津波のような出来事に押し流されるまで気がつけなかったけれど
そんな日常すら送れないでいるかもしれない
顔も知らない誰かの幸せを
傲慢なのかもしれないけど
少しだけ祈る
1日の終わりに




