67話 真昼、朝日と働く☆
【登場人物】
福家 拓司。50歳。主人公。執事名【白銀】
白髪、老け顔、草食系、実は……。
下柳 朝日。21歳。白銀にとって二人目のお嬢様。
一重小さめの目、自虐的、でも、頑張ってる。
日中 真昼。20歳。正午の双子の姉。
黒髪ショート。小柄。大きな瞳。勝気。競技ダンス部所属。朝日と同じバイト先。
【真昼視点】
「お疲れ様です」
「あ、日中さんおつかれで~す」
競技ダンス部の練習が終わり、一度家に帰り、アルバイト先に。
これが日中真昼のいつもの週末だ。
「あ、あの、日中さん」
「はい、なんでしょうか?」
同じ年の男の子が顔を赤くしてもじもじしながら、こっちを見ている。
これは、どっちだ?
「あの! 俺、下柳さんと付き合いたいと思っているんですが、仲を取り持って」
「ごめんなさい、そういうのはちょっと……」
そっちだったか。
自分で言うのもなんだが、私はモテる。
ここに入った当初は、チヤホヤされ、告白も何人かにされた。上から目線が多かったけど。
だけど、ここ最近は、朝日先輩狙いが増え、わたしに紹介して欲しいと言われる。
そもそも、
「なんで、わたしなんです?」
「え? あ、ああ……だって、最近日中さんと下柳さんすごく仲がいいから」
「そう、見えます?」
「え、あ、うん」
そう、か。確かに、前より良く話すようになった。
間違いなく【GARDEN】の一件でだろう。
そして、
「下柳先輩、凄く綺麗になりましたもんね」
「そう! そうなんだよ! どんどんあか抜けて行って……あ、やっぱり、彼氏とかが出来たからなのかな……そ、その辺だけでも」
「本人に聞いてください」
バッサリと切り捨てると、その男の子は肩を落としながら帰り支度を始める。
まあ、彼氏はいないだろう。
それより夢中になっている人がいるのだから。
そして、休憩なのか、当の本人がやってくる。
「おつかれさまです」
「あ! お、おつかれさまです!」
男の子が分かりやすく動揺している。
朝日先輩はあまりの動揺っぷりに首をこてんと傾け苦笑している。
かわいいな、くそ。
朝日先輩は本当にかわいくなった。
例えるなら、ずっと戦士として頑張っていた少年が実は魔法適性があほほどあって魔法使いにジョブチェンジしたら無双し始めたって感じだ。
ちゃんと自分の良い所に気付いて、清楚で綺麗な和風美人って感じで、やばい。
凄く姿勢も綺麗で、男の子にお辞儀する姿もお嬢様っぽくて、やばい。
男の子も顔を真っ赤にしてにやにやしながら帰っていく。はよ帰れ。
「おつかれさま、真昼ちゃん」
「覚醒チート……」
「え? どの漫画の話?」
「いえ、なんでも……」
「あ、そういえば、この前借りた『籠の中の鳥は白髪執事を閉じ込めたい』、すっごく面白かった!」
「……!! でしょう! いや、朝日先輩なら分かってくれると思ってました。あの作品の、あの執事様のパーフェクトっぷりといったら……」
気付けば、多分原稿用紙数枚分喋ってた。
「あ! す、すみません! もう出なきゃ……! 長々とごめんなさい!」
「ううん、私、朝日ちゃんとこんなに喋れるようになれるなんて思ってなかったから嬉しいよ」
くそう、本当にかわいいな。
わたし、女でもいけるんじゃなかろうかと勘違いしてしまいそうになるくらいドキッとした。
「私なんて、ゴミカスクソ女が、競技ダンスの星みたいな真昼ちゃんとこんなに話せるなんて」
自虐が酷い。
だけど、以前は本当にそんな感じで、その気持ちを抱えて隅っこでくるまっているような人だったのに。今では、ちゃんとわたしにも話しかけてくれる。
これも『あの人』の魔法なんだろうな。
「それにしても、この作品の白髪執事ってもうイメージは完全に、白銀さんだよね」
「えひっ!? そ、そうですか?」
エプロンをつけていたわたしは思わず過剰に反応してしまう。
「あ、いや、私はそう思ったかな。なんか所々、CV白銀って感じで脳内再生されてしまうんだけど」
わかる。わかりすぎる。
この作品の白髪執事のモデルは白銀ですって言われたら納得しすぎる。
「……真昼ちゃんのこの作品の推しキャラって、だれ?」
「え?」
「ねえ」
「は? え、いや、それはご想像に」
「聞きたいな~」
くそう、かわいいかよ。
「ぐ、ぐ、グレイですよ! そりゃ、こんだけかっこいい白髪執事がいたらもえ散らかすでしょうが! なんですか! それが何か!?」
恥ずかしくて思わず声を荒げてしまうわたしを朝日先輩は嬉しそうに目を細めながら見て、
「ううん、私も一緒だから、嬉しいなーって」
くそう! かわいいかよおおおおおおおおおおおおおおおお!!
「も、もう行きますからね!」
「あ、私も行くよ。いっしょにいこ」
「うう~~……お好きにどうぞ!」
隣にちょこんとついてきてこっちを見ながらニコニコしてる先輩。
うう~、これ以上三次元に推しを増やさないで欲しい。情緒が不安定だ。
「もしかして、俺下柳さんが好きなんじゃなくて、あのカップリングが推しなのかも……」
「分かる」
おい! そこの男子共! 聞こえてるからな! さっさと帰れ! お疲れ様でした!
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