王の骸 1
蠟燭が置いてあるテーブル。置いてある椅子は暗くても分かるほどボロボロだった。座るしかないよな。足を動かしてその席へと座る。すると、向かい側に座って来たのは女だった。他の連中と違い彼女だけは綺麗な身なりをしている。ただ気になったのは全部の歯が金歯であることだった。
「あんた、何が欲しいんだい?」
金色の歯を見せつけて彼女は言う。
「裏カジノに入るための指輪を」
「……へー。夢見ちゃった系の男かー。賭けるのは転移の腕輪と」
「と?まだ賭ける必要が?」
「当たり前だろ?そんな腕輪死ぬほどあるんだ。いやまあ、実際に死んだ奴らから盗ってるだけど」
静まり返った室内。彼女は何も言わずにドンッと机を叩く。
「「ギャハハハハッハハハハハ!!!!!」」
それを合図に周りにいた明らかにやばそうな連中は笑い出した。
「そうだな。あんた、魔力は?」
「0です」
「0?ハハハハハ!面白い冗談だね!」
彼女の笑い声に同調するように「「ギャハハハハッハハハハハ!!!!!」」とまた奴らは笑い出す。
「……」
「おい、噓だろ?」
「いえ……。本当です」
「そうか。なら、あんたは転移のバングルと命を賭けることになるねぇ」
「構いません。やるならやりましょう。どうせ、僕が勝つ」
「……あ?」
笑い声が止んだ。そして、やばそうな連中の何人かが僕へと近づいてくる。
「ちょっ、何を……。があああああああ!!!!痛っいいいいいいいいいいいぃぃいいぃいいい!!!!!」
手の平を机に押しつけられて真ん中に釘を打たれた。
「あああああ!!な、何をするんだよお!!」
「黙れ。あたしを舐めたんだ。命なんかで支払わせる気はもうないよ。おもちゃとして可愛がってやるさ」
「ぐっっっ!」
左手の平に刺さった釘の傷口に指を突っ込まれる。勝負をする前から怪我するのかよ!
「楽しくなるのはこっからだ。おい!持って来い」
「へい」
女の命令で奴らが持って来たのは二つのサイコロだった。
「さ、サイコロ?」
痛みに耐え、冷静に振る舞うようにそう言う。
「ああ、こっちは私の。それはあんたの」
そう言って彼女は二つのサイコロの全面を見せる。向こうと同じ一般的なサイコロ、違ったのは六に当たる面が彼女のものではドクロマーク、僕のでは王冠のマークがついていた。
「ルールは簡単。互いにサイコロの面を決める。それを手で隠す。互いの選んだ面が同じならドロー。選んだ面が数字なら大きい方の勝ち。一度選んだ面はもう選べないルールだから覚えとけよ。
それで三回勝ったらお前に指輪をやるよ」
「……マークの話をしてない」
「ありゃ、そうだったか?」
「……」
こいつ、わざと説明をしない気だったな。
「魔力0だから説明とかなくても誤魔化せると思ったんだけどなぁ」
「「ギャハハハハッハハハハハ!!!!!」」
クソみたいに同調するな、こいつらは。
「あたしのドクロマークは王冠と3~5の面に勝てる。ちなみにドクロマークで勝ったらあんたの爪を剥ぐからよろしく」
「……俺のは?」
「王冠のマークは1、2の面に勝てる。それで、王冠で勝てば3回勝利してなくてもあんたの勝ちだ」
「……分かった」
左手の痛みにも慣れてくる。大丈夫冷静だ。
「じゃあ、始めようか。王の骸を」
「「うぉおおおおおおおおおお!!!!!」」
奴らが盛り上げる。圧倒的不利な雰囲気、こっちにはとっくの昔に慣れているんだ。
「ボコボコにしてやる」
「威勢がいいやつは大っ嫌いさ」
そうしてゲームは幕を開けた。
賭けたら7時ごろにもう一個投稿します。




