魔族の賭け 1
「トランプゲームなんてどうですか?」
「いいね、大人数でやるのかい?」
「いえ、二人でやりましょう」
「ははははは、挑戦的だねぇ。いいよ、やろうか。」
フジワラは昨日負けた時のように笑っている。
「とりあえず、VIPルームに案内します。そこでルールを説明しても?」
「ああ、構わないよ」
フジワラを連れてVIPルームに連れていく。
「昨日はこっぴどくやられたんじゃないですか?」
昨日のフジワラは客に囲まれて帰ったはず……。
なのに彼には傷の一つもついていなかった。
しかし、服は相変わらず荒野のガンマンのようだ。
「ああ、そうだな。殴られそうにはなったけど……。
ほら、君の足と同じようにしてやったよ」
「そうですよね、だってあんたは」
「ああ、魔族だからな」
彼は私の耳元でそう言った。
やっぱりそうだったのね。
「着きましたよ、ここの扉の先で勝負をしましょうか」
「楽しみだねぇ、このカジノの終わりを見るのが……」
ニヤニヤと笑うフジワラに不快感を持ちつつ私たちはVIPルームへと入った。
扉に鍵をかける。
「ではルールを説明しましょうか」
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「フリルさんが消えた!?」
「はい。スロットコーナーを見てこいって言われた後で」
カジノを回っていたリュウさんを見つけて報告をする。
リュウさんは焦っている。
「VIPルームにいるかもしれませんね。とりあえず、行ってみましょうか」
「いや、それが……」
僕がスロットコーナーを指さす。
そこにはマオと名乗った少女がリュウさんを見て笑っていた。
「私を呼べとマオに言われたんですね」
「はい。あのリュウさんってどうゆう関係なんですか?」
「今は説明出来ません。後ででもいいですか?」
「はい」
「では、とりあえず、彼女の相手をしに行きますか」
リュウさんと共にマオの元へと向かう。
昨日から胸騒ぎがずっとしている。
僕は、このカジノは大丈夫なのだろうか……。
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机に互いに向かい合って座る。
「じゃあルールを説明してくれよ」
フジワラは私に頼む。
「やるのは伏せポーカーです。
まず互いに15枚のチップをもった状態からスタートします。
5枚ずつ配ったカードは1枚以外伏せた状態になります」
「それじゃあ運ゲーになっちゃうな」
「そうですね、ですのでチップをレイズした枚数分カードを見ることが出来ます」
「なるほどな。つまり、全部確認するには4枚レイズしなきゃいけないわけか。
チップの減りが早そうだ」
「一度練習で一戦だけやりましょうか」
「そうだな」
フジワラをテーブルに座らせて練習をする。
私はカードを配る。
それぞれの一枚のカードを互いに見て、残りの四枚を伏せた状態で始まる。
私一枚目はダイヤの3だった。
「レイズ、1枚」
「コール」
互いに二枚目を確認する。二枚目はスペードの3。
私はこの二枚目でワンペアが確定した。
「これって交換はあるのかい?」
「ありますよ、ですが、チップを1枚支払う必要があります。
こっちの交換枚数に制限はないです」
「よくできたゲームだ」
「楽しんでもらえて何よりです」
私は余裕な素振りを見せる。
このゲームに負けるわけにはいかない。リュウの命がかかっているかもしれないのだから……。
「チップを一枚払って交換だ。見てないカードをすべて交換する。
交換したカードも伏せたままだよな」
「そうなりますね」
「じゃあ勝負と行こうか」
「全部見ないんですか?」
「それだと普通のポーカーになるだろ?ギャンブルは楽しまないとだから、な」
私はフジワラのカードを回収して三枚カードを配る。
配り終えると互いに手札と伏せた手札を公開した。
「私は、ワンペア」
「俺はブタだな」
「練習ですが、私の勝ちですね」
「なるほど、だいたい流れは分かった。じゃあ本番に行く前に……」
フジワラはこちらに近づく。
「手を合わせてくれよ」
「……」
私は座ったままフジワラと手を合わせる。
合わせると紫色のリングが中指にはめられた。
「初めてじゃないよな?”魔族の賭け”をやるのは」
「はい、久しぶりですが……」
魔族の賭け……これがなければ……。
リュウは……。
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