金髪美人の覚悟
あいつ出会ったのは私が絶望していた時だった。
わけのわからない異世界転移に巻き込まれて私は将来への絶望を感じていた。
「陸上の大会どうなったんだろう……」
一人脇道でそう呟く。
私は陸上の選手だった。国内で言えば3位の実力者。
将来はオリンピックに出れるのではないかと期待されていた。
しかしこの異世界転移のせいでその未来は消えた。
戻るために魔王を倒すと最初は意気込んでいたが、この国の外にでたクラスメイトや友達は全員死んでしまった。
足の速さのおかげでモンスターからは逃げることが出来たが、頼れる人もおらずバングルでもらえるお金でなんとか食事をして生きてる。
しかし、未来への絶望から私はもう精神的におかしくなっていた。
そんな時だった。
「どうしたんですか?こんな所で……」
目の前に現れたのは死んだ魚の目をした男、リュウだった。
「いや、ちょっと……」
なんと言えばいいか分からず変に言葉を濁す。
「私も異世界転移者ですよ」
彼はバングルを私に見せる。
「何か悩みがあるなら聞きますけど……」
そう言ってくれた。
私は自分の状況を話した。
「なるほど。うーん。そうですね、そういう時はあそこに限りますね」
彼はそう言うと私の手を取ってあの魔銃の射撃場所に連れて行ってくれた。
「ここで好きなだけイラついたことを思いながら的を打ってください。
少しはスッキリすると思いますよ」
私は魔銃を手に取り的に向かって打つ。
「なんで!私が!こんな!目に!あうの!」
声を出しながら的を打つ。一発も当たらない。
「一発も当たらないですね」
彼はそう言った。
「これ、全然ストレス発散にならないんですけど……」
「そうですか?じゃあ賭けでもしますか、あなたが的を当てるかどうか」
「えっ、なんですか急に」
「私ギャンブルが好きなんですよ。私は当たらない方に賭けます」
「えっ。じゃあ私は当てるほうですか?」
「そうですね、当てたらなんでもいうことを聞きますよ」
彼はそう言う。
「なんでもって……」
くだらないと思いながら銃を構える。
「あなたはこの世界に絶望したかもしれないですけど、世界ってのは元から絶望だらけですよ。
どっちの世界にいても壁にはぶち当たります。でも、」
彼は私の構えた銃に手を添える。
「その壁は乗り越えるためにあるんです。乗り越えられないことは絶対にない」
銃を放つ。弾は的をしっかりと射抜いた。
「当たりましたね」
「……ホントだ」
「じゃあ、いうことを聞きますよ」
私はリュウの方を見る。
「なら、私は……」
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カジノ内を見て回る。
フジワラって奴……。怪しいとは思ってたけど……。
魔族だったってことよね、リュウが出てくるってことは……。
あいつに無理させられないわ。私がどうにかしないと。
カジノのトランプコーナーにやつを見つける。
いた……。
彼に近づく。
「あの、フジワラ様ですよね。本日もご来店ありがとうございます。
よろしければ私とまた勝負をしませんか?」
「ああ、いいよ。けど、その足でも大丈夫なのかい?」
「はい。この足の恩を返すので……」
「言うね。まあこちらからも行こうと思っていた頃だし。
で?何で勝負をするんだい?」
「そうですね、では」
トランプを手に取る。
「トランプゲームなんてどうですか?」
ここから少しフリルが主人公になります。




