魔力チキンレース 3
フリルが魔力を注ぐ。
水晶は……。
「なっ!」
水晶は割れない。
「フジワラさんのターンですよ」
「ぐっ」
フジワラは苦しそうな声を出した後少し考える。
「……負けた。俺の負けだ」
「棄権ということですか?」
リュウさんがそう質問する。
「ああ、負けたよ。いつおれの”魔眼”に気づいたんだ?」
僕の方を見てフジワラは聞く。
「フリルとの一対一バトルの後です。目をつむっていたのは魔眼を使っている時目の色が変わるのをみせないためだったんですよね」
「そうだ。……すごいな。あの短時間で……」
「あなたの魔眼は、
人の視界を見る能力ですね。そして条件は相手と目を合わせること。
それでたぶんですが、同じ人に二回は使えないんじゃないですか?
だからフリルのイカサマを封じると共に足を折った。
僕をバトラーとして交代させるために……」
フジワラは驚く。
「そ、そこまで読めるのか、どうゆう思考をしてるんだ?」
「いえ、あの人が少なくなった中、わざわざ乗り込んでくるというのは勝つ自信しかない人間のやることです。だから、イカサマがあると考えてあなたの行動を見ていました」
「ハハハ、こりゃあまいったな。完全敗北じゃないか」
負けたというのに余裕そうな顔でフジワラは笑っていた。
観客達はフジワラの笑いに対して腹を立てている。
「何負けてんだよ!」
「お前に賭けてたんだぞ!」
「ふざけんな!」
「まあ、こうなるわよね」
フリルがそう呟く。
「では今日のカジノの営業を終了します。皆様、お帰りください」
リュウさんがアナウンスする。
フジワラは舞台の下に降りる。
観客達はフジワラを囲み外へと出ていった。
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カジノにお客様がいなくなる。
「それにしてもすごいですね。あんな短時間でイカサマを見破るなんて……私でも出来るかどうか」
「いや、昨日のじゃんけんを見た時、教わったことが生きた気がします。
相手の思考を読む。心理戦であるギャンブルには重要ですね」
「そうですね。では、最後の魔力を注ぐというのも?」
「はったりよ。注いでないわ。明らかにオーバーするとしか思えないし……」
「意図が伝わったみたいでなによりだ」
俺はフリルに肩を貸しながらそう言った。
「二人はチームワークバッチリですね」
リュウさんが僕とフリルを見る。
フリルはこちらを見て
「まあ、今回のは助けられたわ。ありがと」
「えっ?聞こえないな?」
「いや、隣にいるのに聞こえないも何もないでしょ!」
フリルは不機嫌そうにしつつ僕の肩を借りていた。
「それでは、寮に帰りましょうか」
「そうですね」
その日の夜。
フリルが寝る中、僕は窓の外を見ていた。
「睡眠学習ってこういうのでも役に立つんだな……」
ポツリと呟く。
僕には向こうの世界にいた頃から寝ることで物事を学習する能力があった。
それでテストの点数が良かったのだ。
「睡眠学習って何?」
窓の外、上の方から声がした。
「えっ」
上を見る。そこには頭に角の生えた女の子がいた。
髪は深淵のように暗い黒髪で、大きい瞳がこちらを見ていた。
「君は?」
「マオのこと?マオはね、大魔王だよ」
「大魔王……?」
「そう、元だけどね。今日は眷属が世話になったね」
「えっ、それはどうゆう……」
「でも次はそうはいかないから、眷属はもっと出来る子なんだよ」
そう言うとマオと言った少女は羽のようなものを出して空へと飛んで行ってしまった。
「夢……?」
そう思った瞬間、僕は意識を失った。
前の投稿の後書きを読んでもらえると助かります。
今回も読んでいただきありがとうございます。




