魔力チキンレース 1
フジワラとフリルの魔力チキンレースが始まった。
魔力チキンレースは1000になると割れる水晶に魔力を注ぎ相い割れたほうが負けるというルールだ。一度に注げる魔力は300までで、500までは注がれた魔力を見ることが出来る。
ちなみに1でも魔力を注がないとルール違反で負けになる。
「では私から、魔力を注ぎますね」
フリルは199魔力を注ぐ。
まあ最初の定石的な手だな。
これなら最大まで注がれてもメーターを超えないでくれる。
このゲームは見えなくなる状態にどちらが先にもっていくのかというのが勝負になる。
「次は俺だな。じゃあこれくらいで」
フジワラは300魔力を注ぐ。
メーターは499を指す。
ここからがこのゲームの勝負だな。
フリルの方を見る。彼女は余裕そうにしている。
フジワラの方を見ると、フジワラは不敵に笑ってこちらを見ていた。
なんでこっちを見てるんだ?
「では私の番ですね、これくらいで」
彼女が魔力を注ぐ。メーターは見えなくなる。
僕は、手元のディスプレイで現在の魔力量を確認する。
501。魔力を2しか注いでない!?
499の状況で最大の300を注ぐと799。
相手がそう考えていた場合、200を注ぐのが一般的だ。
だが、少ない魔力を注ぐことで自分の土俵に立たせようというわけか。
やるな、フリル。
「じゃあ、俺はこれくらいで」
フジワラが魔力を注ぐ。手元のディスプレイで魔力量を確認する。
801!?限界まで魔力を注いだのか!?
うそだろ?500を超えてからはみんな慎重になるのに!
フジワラの方を見る。フジワラは目をつむっていた。
あいつ何者なんだ?
「では私のターンですね」
フリルが魔力を注ぐ。すると、パリンっ、と水晶が割れた。
「えっ。うそ!」
「俺の勝ちみたいだな。倍の掛け金をもらえるかい?」
「あ、はい。かしこまりました。2000ゴールドですね」
フリルは近くにある金庫からゴールドを取り出して渡す。
「よしっ。じゃあ、もう一戦行こうかな」
「えっ、かしこまりました」
「でもその前に」
フジワラはフリルに近づくと、彼女のポケットのある場所を蹴る。
「ぐっ!」
フリルはその場に倒れる。
「イカサマはなしにしようか。こっちは賭けにきてるんだから」
「な、なんのことですか?
それより、暴力行為は禁止されています。お帰りください」
「おいおい、そりゃあないだろ?逃げるっていうのは面白くないんじゃないか?」
フジワラがそう言うと、いつの間にか集まっていた観客達が盛り上がりだす。
「なっ、いつの間に」
「ほらな、他のお客様は続行をお望みみたいだぜ?」
「分かりました、やりましょう」
フリルは足を抑えながら立ち上がった。
「おい、大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、それより、そこのスタッフ!リュウさんを呼んできて!」
「えっ、はい。分かりました」
「おっ?なんだ?ボスに頼るのか?」
「いえ、あなたの相手は私がします。いえ、正確には私達ですが」
フリルはそう言って俺の腕を取ってくる。
「おい、俺は、」
「うるさいわね!こっちは立ってるのがやっとなの。
さっきので、骨折れたかも。あんたは支えてくれるだけでいいから」
「おお、2人がかりで相手ってわけかい?ちょくら早いじゃないか?
まだ2000ゴールドしか儲けてないぜ?」
「そうですね。でも、まだ蓄えがあるように思えましたので」
フリルはたつのがやっとの中、フジワラにそう言い放つ。
「おっ。分かってたのかい?じゃあもう98000ゴールド追加するか」
フジワラは胸元から金貨の入った袋を大量に取り出す。
「100000ゴールド。とんでもない金額ね」
「どれくらいなんだ?」
「向こうが勝ったらうちが倒産するくらいね」
「えっ。それってめちゃまずなんじゃ」
「さあ、始めようぜ」
フジワラは不敵に笑いながらそう言う。
観客達はどっちが勝つかの賭けを始めた。
「では、私がディーラーをやりますね」
そう言って舞台の袖からリュウさんが出てくる。
「リュウさん!」
「フリル、ミナト。お客様を楽しませてくださいね」
そう言って僕からリュウさんはディスプレイを取り上げる。
「いや、これ、倒産かかってるんですよ?大丈夫なんですか?」
「ふふっ。面白いじゃないですか。2人の勝負強さを見してくださいね」
この人。おかしいんじゃないか?
「それでは、100000ゴールドの大量賭け金のタイマンバトルを始めますよ。
皆様、是非とも賭けてください!」
「うおー!!!!!」
観客達は盛り上がりを見せる!
勤務初日に、カジノを賭けた勝負が始まった。




