表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
135/196

130.王弟です

「お父さま、お母さま、お兄さま。まずお伝えしなければならないことがあります」



 夕食時は、各国でどんなことがあったか。どんなことが興味深くて楽しかったかなどを話す時間となった。お父さまもお母さまもお兄さまもとても興味深そうに聴いてくれた。

 そして夕食も一通り終わり、デザートが運ばれてきた時点で私は意を決することにした。申し訳ないけれど、正式な発表があるまで絶対に他言無用なので、使用人たちや給仕係には一旦退席をしてもらう。

 もちろん信用していないわけじゃないけど、背負い込むには大きすぎる話題だもの。

 


 私の真剣な表情に、家族の顔付きが変わる。

 私は大きく息を吸い込んで、はっきりと伝わるように声を出した。



「私、次期女王の任を拝命することになりました」



 突然の告白にお父さま、お母さま、お兄さまの顔がびっくりしている。無理もないわよね。と、思ったら。



「え、ちょっとまって、サラ?そうすると…レイモンド様との結婚の話…は?」

 お母さまの返しにがくりと肩が落ちそうになる。



「そこ?!一番に聞くとこそこなの?!私が女王になるのはスルーなの?」

 思わず突っ込んでしまうが、目の前の家族は本当に興味がなさそうにお互いの顔を見合わせている。

「まぁそこは、あまり興味はないよな?」

「そうねぇ…別にそこはどうでもいいわ」

「サラが決めることですもんね。ま、興味があるならやったらいいんじゃないか?」


「…お稽古事を習うんじゃないんだから…」

 結構な覚悟で決めたのに…ま、まぁこれがヘンリクセン家よね。


 お母さまが悲しそうに言う。

「ねぇ、私の記憶違いだったら申し訳ないのだけど、女王になるには王族との婚姻が条件だったわよね?そうじゃないと元老院が納得しないって」

「ええ、そうよお母さま」

「それなら、レイと結婚は叶わないんじゃないのか…?今からでも女王の任を断った方がいいんじゃないのか?せっかくこんなに愛し愛される人を見つけられたのに」

「ありがとう。お兄さま。でもね、えっと、大丈夫なの。なにが大丈夫なのかって、ええと…これから話すことは極秘中の極秘で、正式な発表が国からあるまで絶対に周りには言わないで欲しいの」



 ふと、私はさっきからずっと押し黙っているお父さまのことが気になる。


「お父さま?」

 んー…と考えていたお父さまだけど、ゆっくりと顔をあげて、レイの方をじっと見る。

 あ…もしかして。

「サラ、レイモンド団長。間違ってたら笑ってくれ。…もしかして、こういうことじゃないか?」


 そういうとお父さまは立ち上がり、レイに向かって跪いた。

「あなた?」

「父上?!」

 お母さまとお兄さまが驚いている。私はお父さまのその行動の意味をすぐに悟って、思わずため息を漏らしてしまう。

 さすがお父さま。本当に聡い人だわ。


「…もう、その御尊顔を拝する日は二度と来ないと思っておりました、デイヴィス・イグレシアス王弟殿下。



…で、いいのかな?」


 最後に、にこっ、と笑ってレイに顔を上げるお父さま。やだもうなにこのイケオジ!!我が父親ながらめちゃくちゃイケオジ!!!


「や、やめてください!立ってください!義父になる人に膝折られるとかなんの拷問ですか!」

 レイが慌てて立ち上がり、お父さまを立ち上がらせる。

「合ってた?」

 にこにことお父さまがレイに尋ねる。

「合ってます!合ってますからお願いですから本当にそんな挨拶しないでくださいめちゃくちゃ心臓に悪い!」

 マリアとエルグラントが声を出さずに肩を震わせて笑ってる。やめてあげなさい。レイは必死なんだから。



「でも流石だわ、お父さま。いつお気付きになったの?」

「気付いたのは本当に今だけどね。さっき、勝負の内容に関して希望を聞かれた時、ロベルトに『武器を向ける』勝負はできない。と言っていた。この言い回しってとても独特だろう?『武器を向ける』つまり攻撃はできないってこと」

 レイがぽかんと口を開けている。わかる、わかるわよ。お父さま本当にこういうとこすごいのよ。

「攻撃ができない。ぴんときたのは王族の不戦の契り。サラから聞いてたからね。もしかしたら王族の血筋の子なのかな?くらいは思ってた」


 お父さまは言葉を続ける。


「で、サラが女王になると宣言してきた。もちろん女王になるのは王族との婚姻が必要だよね。女王となるサラの相手となれるほど正統な王家の血筋の人物って、今我が国には三人しかいないんだよ。まー、アース王子はもう置いといて。第二王子カール殿下、第三王子ヘイリー殿下。そして、今『実質』薨去とされているが、『正式な』薨去発表はされていない、デイヴィス・イグレシアス王弟殿下」


 うーん、我が父ながらものすごい洞察力。圧巻だわ。

「サラが結婚したいと連れてきた子の名前がレイモンド・デイヴィス。デイヴィスってファミリーでもファーストでもどっちでも使えるし、かなり一般的な名前だから気づきにくいけど。まぁ。こんなもろもろ総合的に判断したら、目の前にいるレイモンド団長は、二十年くらい前に実質薨去とされたデイヴィス・イグレシアス殿下かな?って」


 どう?って茶目っ気たっぷりに聞いてくるお父さま!!もう、一ミリのズレなく正解です!


せめてあと千文字くらいは物語進めたい人生だった…もう少し書きたかったけどこれ眠さで書いたらあかんやつ…眠い…ねます…おやすもなさい…短くてごめんなさい…(パタリ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ