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異世界武器商人  作者: みゅー
共和国編
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第7話

 旅が始まってすぐは、おしゃべりが好きなミルコフがあれこれと教えてくれた。


「俺達の旅団は、主に商隊の護衛任務と魔物討伐を平行してやってるんだ。今回みたいに傭兵みたいなことは今まで参加してこなかったが、今回は参加することになった。」

「どうして今回は参加することにしたんだ?今まで参加することをしていなかったのに。」

「それなんだが、旅団長や副団長が共和国出身でな。知り合いが今回の戦線に参加するらしくて、援軍の助力を頼まれたらしくて、断わりきれなかったらしい。」

「それでも周りは反対の意見をださなかったのか?」

「最初は反対もしていたが、出される報酬に目がくらんだのか、すぐさまみんな参加することになったんだよ。」


話から察するに金に目がくらんだ旅団が普段しない傭兵家業に手を出した、とそういう事らしい。いささか腑に落ちない話ではあるが、聞いていると納得できる内容でもある。しかし、どうやって連絡をしてきたのか、どこでその話をしたのかが不明だ。今回の話には裏があると見たほうがいいだろう。しかも、一商人である俺を連れて行く理由も分からないままである。そうして考え込んでいると、他の戦士から声が上がる。


「ミルコフ、そろそろ俺達の紹介もしてくれよ。」

「そうだったな。今から他の団員も紹介しよう。」

「感謝する。名前も知らずにずっといるのは気が引けるからな。」

「まず、正面に座っているのがルドーズ、その隣がビッファとファフィル。俺の隣に座っているのがゼルガだ。」

「紹介感謝する。私の名前はヴァッフェです。しばらくの間よろしくお願いします。」

「こちらこそよろしく。俺はルドーズだ。しかし何であんたは俺達と一緒に戦線に向かうことにしたんだ?」

「それは貴方達の旅団から勧誘されたからですよ?」

「そうなのか!?そんな話初めて聞いたぞ。」


これはおかしい。旅団長らしき人に勧誘されて、この旅に同行することを了承したが、それを他の団員が知らないのはおかしい。これには何か裏があるのではないかと勘繰る。しかし、団員は和気あいあいとしており、本当に戦場に赴くのか疑問に思ってしまうほどだった。ただの思い過ごしと思うことにして、旅を楽しもうと心の中で思った。

そうして、しばらく田園風景を楽しんでいると不意に荷馬車の移動が止まる。何事かと思って外を覗いてみると、そこには野営地のごとく多くの荷馬車が待機していた。乗っていた全員が降りると団長が声をかけに来る。


「今日はここで一泊して、他の旅団とともに西の戦線まで向かう。分かっていると思うが他の団員と揉め事は厳罰に処すから、そのつもりでいるように。では解散!」


団長の号令とともに一緒にいた団員は、最後尾をついてきた荷馬車に荷物を取りに行く。俺はどうしたらいいのかと思っていたら、団長がこちらに声をかけてくる。


「商人殿!今から天幕を準備するから、待っていただきたい。それと聞きたいことも山ほどあると思うが、今しばらくは我慢してくれ。」

「旅団長殿、心遣い感謝する。ここでの行動は何か注意することはありますか?」

「それなら、他の旅団からも商人や鍛冶師が同行している。そちらと話をするのはかまわないが、他の旅団には危ない奴もいるから、注意するように。それ以外は特に制限はない。」

「ありがとうございます。では、他の商人たちと話をして情報を聞き出すことにします。」

「いらんことを聞かないことを祈るよ。」


こうして、団長から許可を貰い他の商人や鍛冶師から話を聞ける。これでどうして我々を戦線に連れて行きたいのか、情報を集めることが出来る。しかし、他の商人が簡単に情報を教えてくれるかは、自分の交渉力しだいだ。とりあえずは他の商人が集まっている場所に向かうことにした。向かう最中に他の旅団の様子も見ながら歩いていると、明らかに戦場向きではない装備をしている一団を見ることもあったが、気にすることなく歩いていく。

しばらく歩いていると商人や鍛冶師などといった人達が集まる場所に到着した。そこはさながら市場の様相となっていた。あちこちで商人が団員にあらゆる物を売り始めていた。

これでは、商人から情報を聞き出すのは至難の業だと思いながらも、何が売ってあるのか市場調査を始めることにした。



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