表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界武器商人  作者: みゅー
共和国編
41/65

第40話

 団長の隣に座って、他の団員を見渡して、どのような要望があるのか聞いてみた。


「それでは、私の『ギフト』の内容を聞いているとは思いますが、最初にどのような要望があるのか聞いてみたいと思います。」

「それなら、剣と槍が今一番必要になっている。それの品揃えはどのようになっている。」

「剣と槍ですね。それですと、紹介できる商品は数が少ないので、要望に沿う品を紹介できるかどうかは怪しいところです。それでもよろしいですか?」


 そう話すと、団長や他の団員は何かを思案する顔になった。

 それもそうだ。剣や槍は銃の付属品扱いになっているのか、種類は少ない。その中から、皆の要望に沿った品を紹介しようと思っても、困難を極めるのは目に見えている。

 さて、どうしたものかと考えていると、一人の団員が手を上げて質問をしてきた。


「剣や槍の品揃えが少ないのなら、何を主力として、販売しようとしていたのだ?」

「それは、銃を主力とした販売です。なので、銃の品揃えはかなりの数あるのですが、それ以外となると、数が少なくなってしまうのです。」

「なら、銃の中で我々にあう商品を見繕うのは、出来ないのか?」

「銃の習性上、乱戦で使用すると、味方を誤射してしまう可能性もあるので、余計な被害を出さないためにも紹介は控えさせてもらいます。」

「なるほど。前線で戦う我々からすると、誤射しては味方に余計な被害を出す上に、士気にも影響を与えかねないと、そういうことだな。」

「その通りです。なので、銃以外の装備となると、選択肢が少なくなってしまうのです。」


 この話をすると、団員はさらに難しい顔をしてしまった。しかし、団長は何かを思いついたようにこちらを見てきた。


「しかし、銃の中にも乱戦向きの銃があるのではないか?」

「鋭い指摘ですね。確かに、狭い場所で使うように設計された銃も品揃えにはあります。しかし、それは通路を進軍する時に使うものであって、広い戦場ではよほど接近しないと味方にも被害を出しかねない銃なのですよ。」

「なるほど。使用に細心の注意を払わないと、味方に被害を出す銃か。それだと戦場では使いにくいな。」


 その通りだ。しかし、銃弾のリストを確認してみると、スラッグ弾を見つけることが出来た。これを使えば、戦場でもある程度使えるかもしれないと考え、提案してみることにした。


「団長殿、銃弾を少し特殊な物を使えば、戦場でも使用可能かもしれません。」

「ほう。それはどのような物なのだ?」

「スラッグ弾と呼ばれるもので、拡散しない代わりに一点集中にした銃弾です。これだったら、味方に被害を出すのを抑えることが出来るかも知れません。」

「それを試すことは出来るのか?」

「試すには、資金が必要ですし、広い訓練所に行かないと試すことは難しいですよ。」

「そうとなると、今日は訓練所を使用することは出来ないから、明日以降になるな。」

「そうですね。しかし、他の団員を無視して決定していいのですか?」

「それは、また後で皆と話し合って決めるとして、他の剣や槍の情報も教えてもらえると助かる。」


 そうして、銃の試し撃ちはまた後日となり、他の団員が納得できるように剣や槍の情報も開示していった。

 すると、剣や槍の詳細を聞いて、気になる武器があるようだったので、それもまた後日、実物を見せることに決まった。

 銃はやはり、味方への誤射が気になるようで、戦場での使用を懸念する意見も出てきた。しかし、使い方しだいで、敵への被害を甚大なものにすることが出来るので、賛否両論の意見になった。

 こうして、一軍への武器紹介は一通り終わったが、銃の販売はこれからゆっくりと広げていくしかないな、と思える内容だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ