第38話
司令官の計らいで、自分の疑惑が晴れたので、これで旅団に戻れると思っていたら、金貨の入った袋をまた俺の目の前に持ってきて、肩をつかまれた。
「商人殿、これで疑いが晴れたと思うが、ついでだから、この資金で銃を後200ほど仕入れてほしい。それは可能だろうか。」
「司令官殿、それは可能ですが、今は旅団の方たちに無事の知らせをしたいのですが。」
「それは心配しなくても、衛兵にすでに伝えるように頼んである。だから、安心して残ってもらって大丈夫だ。」
「はぁー、分かりましたよ。それで、仕入れる銃は先ほどの物でいいんですか?」
「なんだ、他にも種類があるのか?」
「えぇ、先ほどの銃とは系統が違い、連射性能が優れた物や至近距離での威力が優れている物など、いくつか種類がありますよ。」
「なるほど。用途によって銃の種類もいくつかあるのか。しかし、今の戦場にあっている物を探すとなると、時間がかかるのではないか?」
確かにそれは言えている。しかし、今の戦場で使うのであれば今のスプリングフィールドがちょうどいいが、司令官が言っているのは、次の戦で確実に帝国に被害を負わせることの出来る武器を用意しろと言っているようなものだ。
しかし、今の品揃えで何かあるか考えながら、一覧を見ていると、次のページが追加されているのに気づいた。そして、そのページを読んでみると、これは銃じゃないだろうとツッコミをいれたくなるような内容だった。
だが、これなら司令官の要望を満たすことが出来るかもしれないと思い、相談してみることにした。
「司令官殿、もし次の戦闘で相手に確実に被害を出させることの武器が仕入れることが出来ると言ったら、いくら出しますか?」
「ほう。そんな武器が仕入れることが出来るのなら、1つにつき金貨10枚だしてもおつりが出るほどだ。」
「なかなか高評価をしてもらえるみたいですね。」
「当たり前だ。敵に確実に被害を出させることが出来る武器なら、他の戦線でも通用するだろうからな。それだけの金額を出しても手に入れたいと思うだろう。」
司令官の話も確かだ。確実に被害を出させることが出来る武器なんて、今現状存在しない。そんな武器が手に入るかもしれないと言われれば、大金を出してでも手に入れたいと思うものだろう。
「それなら、周りに人が集まらないような場所を知っていますか?」
「なんだ。この訓練所じゃ駄目なのか?それより、また何かいいものでも仕入れたのか?」
「それは、見てからのお楽しみと言うことでは、駄目ですか?」
「もったいぶるな。しかし、この近辺で人が集まらない場所なんて、ほとんど存在しない。存在したとして、どちらかの軍の訓練所になっているか、物資の保管場所になっているかの、どちらかになっている。」
「なるほど。なら、ここで披露してもいいですが、かなり大きな音がするので、帝国の間者がいたら、何をしようとしているのか相手にも知られてします可能性があります。それでも大丈夫ですか?」
「ふむ。それなら、この訓練所を貸切にして、周りにも兵士を配置して、出来るだけ情報が外に漏れないようにすることは可能だが、それでもよいか?」
「それなら、ある程度抑えることは可能ですね。しかし、それでも完全に防げるとは思いませんが、今日のところは銃を200出すので、それで終わりといたしませんか?」
「そうだな。今日のところは、銃を仕入れることが出来れば、次の戦が始まるまでに兵士に訓練をさせることも可能だろうから、それだけにしとくか。」
「分かりました。しかし、銃の銃弾も私の『ギフト』でしか、入手することが出来ないので、そこもよろしくお願いしますね。」
「業突く張りな商人だな。仕方が無い、銃弾を仕入れる資金も追加で用意させるから、4000ほど銃弾も用意してもらえると助かる。」
そうして、司令官から、銃と銃弾の資金を受け取り、兵士に促されて銃を出す場所に案内された。
そこで、大量の銃と銃弾を出し終わると、ようやく天幕に帰ることを許可されたので、おとなしく自分の天幕に帰ることにした。