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異世界武器商人  作者: みゅー
共和国編
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第2話

 意識がはっきりしてくると、そこは青々とした草が生い茂る草原の真ん中に立っていた。あの神のことだいきなり戦場に送り込むかと思われたが、存外まともなのかもしれない。自分の体に異常が無いか確認してみると、麻の貫頭衣(かんとうい)股引(またひき)の簡素な服装になっていた。さらに分かりやすい位置に麻袋が落ちており中を確認してみると、水袋とナイフ、いくつかの食料と20枚ほどの銀貨、さらに1丁の拳銃と羊皮紙が入っていた。


「これがあの神の餞別か。この羊皮紙はなんだ?」


羊皮紙を広げてみると、そこにはこの世界の文字で書かれた説明があった。異世界の文字が読めるのも恩賞なのか?問題なく読むことが出来た。そこには、『スキル・武器商人』の簡単な説明と硬貨の使い方、ギルドの説明や新しい自分の名前が書いてあった。


「『スキル・武器商人』は硬貨で武器を購入することが出来るスキルで、自分以外の人には見えないようになっていると。スキルにはレベルがあり、そのレベルによって購入できる武器の種類や数が変わってくると。随分と便利なスキルだな」


疑問をもちながらもさらに読み進めると、この世界に必要であろうスキルも追加でいくつか付けてくれたみたいだ。それを読み終わると、麻袋を担ぎ、周りを見渡しながら、今後の方針を考えながら歩き始めた。


「街道に出ないことには、ここで野垂れ死ぬかもしれんからな。方向はわからないが、とにかく歩いてみるか。」


あても無く歩きまわるのは得策ではないが、食料や水の限りがある以上早くに人が住む場所を目指す必要がある。しかも、魔物に狙われやすい場所からの移動も急務だ。

しばらく歩いていると小高い丘を見つけ、そこに上ってみると、少し離れたところに街道と城壁に守られた街を見つけることに成功した。


「これで、最初の目的は達成できるな。後は安全に街の中に入ることだが、そう簡単にいくかは疑問だな。」


そんなことを呟きながら、街に向かって歩き始めた。街道に入ると荷馬車や徒歩での旅人らしき人もちらほらと見受けられる。これなら安全に街につけることに安堵し始めた。

そう考えていると城門まで着いた。そこでは列になっており、身分証などの確認はされていなかったが、荷物の確認はされており、麻袋の中に入っている拳銃を見られると厄介なことになるのは目に見えている。そこで急いで服の中に忍ばせると違和感無い様に歩いて列に並ぶ。


「次の者!荷物を見せて、入街理由の述べて、入街税銅貨10枚の支払いをすませろ!」

「入街理由はここでギルドに入会をするために来ました。」

「何処のギルドに入会するつもりだ。」

「はい、商業ギルドがあればそこにするつもりです。」


無難な受け答えをして、入街税を払い街へ入ることに成功した。そしてすぐに商業ギルドに向かいたいところだが、先に寝床を確保しなければならない。城門のすぐ近くは宿屋が乱立しているので、出来るだけ安い宿を探したいところなので、裏路地の宿でも探そうと歩きながら考えていると、これ見よがしに少し寂れた宿を発見した。


「ふむ、今日の宿はここで十分かもしれないな。」


城門から程よく離れており、人の出入りも少ない。さらに隣近所は平屋の民家になっており、泊まるであろう2階を覗けるような建物が無い。理想とする宿を見つけ、意気揚々と扉を開けるとそこには、猫耳の獣人が受付に座っている。道すがら獣人やエルフなど様々な種族を見てきた。しみじみと見ていると、受付の女獣人はこちらを訝しめ(いぶか)た目で見てくる。


「じろじろ見てなんだい。泊まりの客かい?」

「すまんな、見ての通り田舎物で街に来るのは初めてだったのだ。それよりも今日は泊まれるか?」


当たり障りのない言葉を並べながら、宿泊できるかどうかを聞いてみた。そうすると、羊皮紙を広げなにかを確認し始める。すぐににこやかな笑顔を向けてきた。


「もちろん!久しぶりのお客だったからね。少し怪しんしまったよ。何日泊まる予定だい?」

「それよりも、1日いくらなんだ?」

「食事なしで、銅貨5枚。食事つきで銅貨8枚だね。」

「だったら、食事なしで4日泊まりたい。全部で銅貨20枚だな。」


そう言うと羊皮紙をだされて、そこに名前を記入して銅貨20枚を支払う。そうすると、鍵と番号札を渡された。


「その番号札と鍵はなくさないでおくれよ。外に出る時は鍵だけを受付で預けておくれ。」


そう説明を受けると頷き、鍵と番号札を持って階段を上りあてがわれた部屋へと向かう。部屋に入ると、簡素なベッドと机だけが置かれていた。ようやく一息つけると、安堵すると荷物を下ろしベッドに寝転ぶのであった。


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