植物研究者の朝
書く気にならんのだ
「ー!!ーーー!!」
体を揺さぶられる。大きな声が聞こえる。まだ眠い、起こさないで。肌寒い日の布団の中、そう簡単は出られない。
「彩芽!早く起きなさい!レディは身だしなみもしないとでしょ?」
「後少しだけ…もう少しだけで良いから…」
「もう少しも何回目!?」
大きくてゴツゴツした手。でも少し安心してしまう。とうとう布団を引っ剥がされてしまって、風が体中にあたる。今まで揺さぶってきた彼は呆れ顔でメガネをクイとあげればまた「レディは〜で…」と長い話を始めた。こうなると長いので「ごめんってー」と軽く謝罪し個室のカーテンを閉める。
私たちは「神の悪戯」を解明するために隠れながら生活している。神を信じている沢山の人たちに原理があるのだと証明することを目的としている。理由なんてない、原理が知りたいだけである。神様が悪いわけでも人間が悪いわけでもない、好奇心の塊なのだ。決して神を信じていないわけではない、むしろ私達の中に天使と悪魔もいるのだ。信じない訳にはいかない。私のような研究に明け暮れる人間がここには7人、私達の考えを信じて護衛をしてくれている3人。計10人がこの洞窟でくらしている。一人ひとりのスペースが欲しいと寝る場所兼自分のフリースペースは木で作られた箱だ。寝て起き上がれるし、壁に仕舞われた机も出せる。ついでに研究の成果である、光石で灯りも灯せる。まあまあ快適なのだ。
研究する理由も様々、しかし根本は知りたいだけという点に変わりはない。天使も悪魔も、人間も。全てを知り尽くした生物なんていないのだ。だから知るのだ。
私はいつもの麻の服と白衣を羽織れば個室から出て共有スペースへ向かう。少し広めのその空間ではもう仲間達が食事をとっていた。どうやら1番最後らしい。乾燥させたフルーツと焼き立てのパンを食べてしばらく人間学を研究する嘉神という男性悪魔と会話をした。他愛のない日常、これが植物研究者、彩芽の朝のルーティーンなのだ。
書く気にならんのだ